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「ラ ブーシュ ルージュ」が榮倉奈々とコラボ サステナブルなリップスティックに込めた思いとは

 フランス発のサステナブルメイクアップブランド「ラ ブーシュ ルージュ(LA BOUCHE ROUGE)」はこのほど、榮倉奈々とコラボレーションしたリップスティックを発売した。肌馴染みが良いブラウンレッドカラー“KOTO”(レフィル税込5500円)とブルーのレザーケースを合わせた“ル バーム KOTOセット“(同1万4410円)をそろえる。榮倉氏は二児の母になったことをきっかけに、未来の地球環境について考えるようになったという。そんな中でニコラス・ジェルリエ(Nicolas Gerlier)「ラ ブーシュ ルージュ」創業者のモノづくりに共感し、今回コラボレーションが誕生した。榮倉氏に、コラボリップに込めた思いや、普段から取り組んでいるサステナビリティについて聞いた。

WWD:「ラ ブーシュ ルージュ」は化粧品業界において肥大化するプラスチック問題に立ち向かうべくスタートしたブランド。サステナビリティを創業時から貫いているが、どのような面に共感したのか。

榮倉奈々(以下、榮倉):プラスチックはもちろん、ミツロウすら使わないというストイックな姿勢には最初は正直驚きました。ラグジュアリーでモードな雰囲気を醸し出しながら、ここまで本気で取り組んでいるブランドに出合うことができてうれしいです。

 またニコラスさんは地球環境だけでなく、本当に女性を大切にされているのが伝わりました。リップスティックは口に直接塗るもので体内に入ってしまうことから、妊娠中の女性でも安心してつけられる処方にこだわっているそうです。また粘膜に触れる可能性があるマスカラも同じ思いで作っていると聞いた時には、女性の体を本当に大切に思ってくれているのだと感心しました。

WWD:コラボに際し、ニコラスさんとはどのような話をしたのか。

榮倉:リップは多くの女性のポーチの中に必ず入っていて、毎日使うもの。そんな身近な存在であるリップで世界を救う第一歩になる、という話は素晴らしいと思いました。小さなステップでも、みんなが参加すればいずれ大きな変化をもたらします。だから誰もが参加できるような、ハードルが高すぎず、それであって気分が上がるリップスティックを作りたいと思いました。

WWD:そんな思いで完成したリップはどのようなもの?

榮倉:前提として地球環境を配慮していることから、海や山、森など何か自然に着想を得た色を選びたいと思いました。そこでいろいろ模索したあと、木をイメージしたブラウンレッドにたどり着きました。誰もが使えるように、日焼けしやすい肌にも、透明感のある肌にも合う色にしました。また保湿成分も多く配合し、リップクリームなしで美しい仕上がりが続くように設計しました。一度塗りだと薄づきで、重ねるごとに自由に濃さを調節できるようにすることで、あらゆるシーンに馴染むリップメイクを可能にしました。

WWD:肌馴染みの良いカラーでチークにも使えそう。

榮倉:元々小さいポーチやバッグを使うことが多くて、マルチユースなアイテムが好きなんです。保湿成分が多く入っているので伸びがいいですし、自然な仕上がりを実現します。チークに塗ってもキレイな艶を与えます。またチークを買わなくてもいいので、そういう意味でもサステナブルなアイテムになるかもしれません!

WWD:榮倉さんは子どもを産んでから世界を見る目が変わったということだが、子どもにはどのようなサステナビリティ教育をしているのか。

榮倉:今は何でも手に入り、便利すぎる時代でもあると思っています。子どもには、モノの原型やモノがどこから生まれるのか、ということをしっかり理解してほしいと考えます。またゴミは捨てること自体はとても簡単ですが、捨てた末を考えることはあまりありませんよね。だから子どもにはゴミが捨てられた後にどこに行き、誰がどのように処理するのかを考えられるようになってほしいですね。蛇口をひねれば必ずキレイな水が出るとは限らないということだったり、モノのライフサイクルをきちんと知ってほしい。これからの時代を生きる子どもたちにこういったことを考えてもらうだけで、私たちよりももっと(サステナビリティにおいて)先に進めると思うんです。

WWD:ご自身はどのような活動に取り組んでいる?

榮倉:コンポストは昨年の夏あたりから始めました。簡単ですし、だいぶゴミが減ったのでとても楽です。またリサイクルよりもリユースが好きですね。リサイクル回収だと最後まで見届けられないので、自分がリサイクルしたものがきちんと処理されているのかわからないのが不安で。なので私はどちらかというと使いまわせるものを選ぶようになりました。洋服も滅多に買わなくなりましたし、着なくなったものは譲るか、雑巾に再利用しています。

WWD:今回のコラボを経て、化粧品の見方も変わったか。

榮倉:これまでもなるべく詰め替え製品を使うようにしてきましたが、正直リップまでは手が届いていなかったです。今回ニコラスさんといろいろ話して、化粧品が地球に及ぼす壮大な影響について改めて学びました。当たり前なことかもしれませんが、まずは現状を知ることの大切さも痛感しました。コラボのリップを通して、皆様にも自分が使う化粧品や使い方についてもう一度考え直すきっかけになればうれしいです。

WWD:最後に今回のコラボで伝えたいメッセージがあれば教えてください。

榮倉:まずは一度手にとっていただけるといいなと思います。重厚感のあるずっしりとした重さ、美しいパッケージ、そしてさまざまな人の表情を華やかにするこだわりのカラーを楽しんでいただけるのでは、と思います。そしてその中には環境に配慮し、女性を守るというメッセージが詰まっていると考えると、さらにその素晴らしさに魅了されるはずです。「ラ ブーシュ ルージュ」のリップ一つで、地球環境に目を向けてもらえたらうれしいです。

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