スイス発のアウトドアブランド「マムート(MAMMUT)」は、創業160周年を記念したプロジェクト“マムート 160周年記念プロジェクト〜すべては山を楽しむ為に〜”を始動し、アンバサダーに柴咲コウが就任した。3月9日に行った記者発表会では、福田太一マムート・スポーツグループジャパン社長がブランドのこれまでの歩みやCSR活動について解説。柴咲は160周年記念のアイテムを着用して登場した。
同プロジェクトの一環として、東京・渋谷のミヤシタパーク3階のサイ(SAI)ギャラリーで、ブランドの歴史を振り返る展示を13日まで開催している。ブランドのルーツであるクライミングロープの初期モデルをはじめ、日本初公開となる商品や日本の山景色の写真を展示する。5月からは、一般参加者を募った登山ツアーなどのイベントを開催予定だ。これらの取り組みを通して、都市生活者に山の魅力を伝え、環境保全の意識喚起を促す狙いだ。
柴咲は2020年に自身が代表を務めるレトロワグラースを立ち上げ、環境に配慮した衣食住にまつわる製品企画・開発に取り組む。18年には環境省の環境特別広報大使に就任。現在は北海道を拠点にし、自然と共生する暮らしを実践している。そうした柴咲の姿勢が「マムート」のフィロソフィーと通ずることが、アンバサダー就任のきっかけになった。柴咲にアンバサダーとしての意気込みを聞いた。
WWD:「マムート」のイメージは?
柴咲コウ(以下、柴咲):商品は、厳しい自然環境でも耐える機能性を備えたプロ仕様のイメージです。そして、ロゴがかわいい。最近は両親の故郷である北海道にも拠点を置いているので、そこで登山をする人たちが身につけているのをよく見かけます。本気で登山をする人たちに愛されているブランドですね。
WWD:展示を見た感想は?
柴咲:自然を相手にしているからこそ、CSRの活動にしっかり力を入れている企業だということ改めて理解しました。これからの取り組みにも注目したいです。特に、有機フッ素化合物については知らなかったので勉強になりました。アンバサダーとして、こういった事実を生活者の人々へ伝えていきたいです。自然は何万年もの長い年月をかけて形成されていて、すごく偉大です。責任を持ってモノづくりをしている様子を生活者は見ているし、ブランドに対する信頼につながると思いました。
WWD:北海道にいる間はどんな生活を?
柴咲:目的がなく過ごす時間が多くて、鳥のさえずりや山の木々が揺れる音に耳を傾けるだけで満たされた気持ちになるんです。微生物の存在も意識するようになりました。例えば、腐葉土の上を歩くと、温かくてエネルギーを感じます。枯れて終わったと思っていたものがまだ生きていて、これからの季節に向かって栄養を貯め、循環している。循環の大切さを学ぶと、なんでこれまで使い捨てでモノを消費することが許されていたのかなと考えています。モノの循環が重視される世の中にシフトできたらいいなと願っています。
WWD:アンバサダーとしてどんなことに挑戦したい?
柴咲:さまざまなアウトドアスポーツに挑戦したいです。ちょうどフライフィッシングに誘われているので、まずはそこから。登山はまだ初心者ですが、山や自然が大好きで、数年前には会社のレクリエーションで御嶽山に行きました。都内の会議室とは全く違う環境で、山に登りながら親睦を深めるのもいいなと思いました。まずは、ハイキングから始めて、今後は本格的な登山にも挑戦してみたいです。
WWD:環境問題について発信するときに気をつけていることは?
柴咲:発言した後に反省することばかりです。いろんな考え方があるけど、地球環境の課題は社会全体で取り組まなければいけない段階です。みんなが自分も取り組みたいと思えるように、ワクワクに包んで情報を届けることを大切にしています。一人の力は小さいかもしれないけど、それが集まれば大きな力になると信じて、諦めずに発信を続けていきたいです。