ビーピーラボ(BPLab)は、寝具のイワタと浅野撚糸と連携し、高級寝具を回収しタオルへと再生するプロジェクトをスタートした。イワタは1830年創業の京都の高級寝具総合メーカー。同社の生産や仕立て直しで発生する綿100%の素材をビーピーラボが回収し、マテリアルリサイクルにより糸に戻す。浅野撚糸はその糸を撚糸し、タオルを生産する。タオルとなった製品はイワタが2022年秋以降に販売することで循環が完成する。
浅野撚糸が特許を持つ「スーパーゼロ」は通常の1/2の綿の使用量で済みながら、一般的なタオルと比べて吸水力は約50%アップ、また速乾性が高く毛羽落ちの少ない優れた製品だという。浅野撚糸が運営するタオル専門直営店「エアーかおる本丸」でも2月からビオロジック ループ(BIOLOGIC LOOP)によるタオルの製品回収をスタートした。
ビオロジック ループは、ビーピーラボが運用する繊維製品の循環プラットフォームで、繊維製品をメーカーや店頭から回収し、契約した廃棄物処理事業所で分別し新たな繊維製品に再生。廃棄しないで100%循環させることにより、「リサイクル化証明書」を発行する。さらに天然繊維(綿、麻、ウール)とポリエステルをマテリアルリサイクルし、生地や糸または製品として販売している。店頭で回収するための回収ボックスやEコマース上での回収システムも提供している。
アパレル業界では、使用済み繊維製品や在庫の回収と廃棄、再利用が課題になっている。アパレル製品はひとつのアイテムに複数の素材と付属品が使われるため、分解・再生に手間がかかり課題を複雑化している。本プロジェクトは綿100%の単一素材のため、循環へつなげやすい点がポイントだ。ビオロジック ループは今後、複合素材の回収、再生にも力を入れるという。