「ディオール(DIOR)」は、海洋環境保護団体「パーレイ フォー ジ オーシャンズ(PARLEY FOR THE OCEANS以下、パーレイ)」と協業し、メンズビーチウエアのカプセルコレクションを発売する。
パーレイは、海洋プラスチックごみや海岸に漂着した漁業用の網などを再利用した高性能材料や、再生ポリエステルを開発。「ディオール」はそれらの素材からジャカード、メッシュニット、カンバス地などのファブリックを作り、シャツジャケット、カーゴショーツ、パンツ、ポロシャツ、ボトルホルダーなどのアイテムに使用した。また、ソールがバイオプラスチック製の“B23”スニーカーも展開する。いずれもメンズを取り扱っている「ディオール」の店舗で、4月14日から販売する。
キム・ジョーンズ(Kim Jones)「ディオール」メンズ・アーティスティック・ディレクターは、幼少期をアフリカで過ごしたこともあり、環境や希少動物の保護に関心が高いことでも知られている。「『ディオール』はサステナビリティに熱心に取り組んでおり、私個人としても自然や地球環境の保護に情熱を感じている」と語った。同ブランドを擁するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)も、2030年には全ての新製品をエコデザイン(最小限の環境フットプリントで生産)とすることを掲げている。同氏は、「(今回使用した)ファブリックの開発にはかなりの期間を要したが、おかげでLVMHの品質管理基準を満たし、顧客が期待するレベルを超えることができた」と説明した。
パーレイの創設者兼最高経営責任者であるシリル・グッチ(Cyrill Gutsch)は、「『ディオール』との初コレクションとなった今回の協業を通じて、(アパレルの)生産方法に大変革を起こす必要があることをファッション業界に呼びかけたい」とコメントした。パーレイは17年に「アディダス(ADIDAS)」と提携し、19年に同ブランドとコレクションを発売しているほか、21年には海洋プラスチック汚染に対するグローバルキャンペーン“ラン フォー ジ オーシャンズ(RUN FOR THE OCEANS)”を共同開催している。