毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2022年3月28日号からの抜粋です)
中村:「WWD BEAUTY」時代から毎年恒例にしていたヘアカラー特集ですが、まさにハイトーンカラーブームの今、サロンはヘアカラーを中心に回っていると言っても過言ではないです。そして今回は初めてファッションと絡めて特集を作りました。
ソーン:今のヘアカラーのトレンドは何ですか?
中村:今季のキーワードは“肌映え”ですね。トレンドのハイトーンカラーでも、寒色系だと顔がくすんで見えるんです。だから今春夏はオレンジやピンクなどの暖色系だと美容師は皆言っていますね。あと、顔の周りだけを染めるフェイスフレーミングカラーが増えています。フルカラーリングには抵抗がある人って結構多いですし、ヘアアレンジするたびに内側の色が見えてかわいいので、やる人がもっと出てくると思います。
ソーン:私は大学生の座談会を担当しましたが、派手髪ってフルにカラーリングするわけではないんだなと思いました。上下半々とか、一部の色を変えるだけでインパクトが強まりますね。
中村:そうなんです。特にハイトーンになると、似合う服の色も変わってしまうんですよね。サロンでもお客さんから「この髪の色にしたらどんな服が合いますか?」と聞かれることが増えたそうですし、逆にお客さんがその日に着ている服がカラーリングすることで似合わなくなりそうだと思ったら、そう声をかけてから施術するそうです。数年前まで派手髪って「奇抜」とか「コスプレ」とか特殊な人たちがやっているイメージでしたが、ハイトーンが一般に広がった今、眉の色やファッションも一緒に気にするようになってきています。
ソーン:Z世代ってイヤホンしたまま店に入るとか、干渉されたくないイメージがありましたが、すごくアドバイスを欲しがっているんですよね。そしてサロンでの時間を大事にしています。自己肯定感を育んだり、自分を大切にしたり、セルフケアの観点からも彼・彼女らにとってかけがえがないようです。
中村:サロンにとってすごくうれしいコメントですね。今号で特集しているヘアデザイナーズコンテストの結果発表も時代を反映しているので注目です!