知っておきたい知識をテーマ別で解説する「WWDスクール」を開講!長年業界を取材する記者が、コレクションやサステナビリティなど、それぞれの専門分野を徹底解説します。(この記事はWWDジャパン2022年4月4日号からの抜粋です)
ファッション業界におけるランウエイショーは、一番華やかで取材がとっても楽しい世界。とは言え、その全容を知る人は多くないでしょう。だからこそ「トレンドは、業界が洋服を売るために仕掛けたもの」なんて曲解も存在しています。そこで「WWDJAPAN」は洋服が生まれるまでの過程、デザイナーの想いはもちろん、彼らを衝き動かした社会背景まで解説します。
村上要/「WWDJAPAN」編集長
PROFILE:地元の「静岡新聞」で社会部に所属し、事件記者を担当。退職後、アメリカに留学したり、アシスタントを務めたりして30歳を目前に帰国 ILLUSTRATIONS : UCA
ファッションショーに代表される最新コレクションの発表は、ブランドやデザイナーからの「今は、こんな時代ですよね?」「そんな時代を生きる人には、こんな洋服があったらいいと思うんです」「それを、私たちのブランドらしく表現したら、こうなりました。どうでしょう?」という「問いかけ」の場と考えましょう。ちなみにビューティについては、上述の「洋服」を「化粧品」に置き換えれば理解できると思います。
少なくとも春夏と秋冬の2回、多いブランドなら4回以上、こんな「問いかけ」を繰り返し続ける業界は、そんなに多くありません。車業界のモーターショーだって、各地で開かれるのは年に1回。アップルだってiPhoneやiPadの新製品を発表するのは年に1回ですよね?でもファッションやビューティ業界は、年に2〜4回くらい。しかも既存品のアップデートではなく、毎回ゼロから商品を作り直し、「どうでしょう?」と問いかけることを繰り返しています。そして消費者やメディアの反応、何より売り上げを見ながら、「私たちの問いかけは、今の時代、業界、お客さまに受け入れられたのだろうか?」という自分たちへの問いかけも繰り返し、アップデートを続けています。だからファッションやビューティ業界は、「時代を先取る」と言われるのです。
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