高島屋は11日、立川高島屋S.C.の百貨店区画の営業を2023年1月31日で終了すると発表した。1970年に高島屋立川店として開業した同店は、近年は百貨店区画を縮小し、テナント区画を拡大していた。2018年の大型改装によって10フロアのうち百貨店区画は3フロアに集約されていた。立川駅周辺の再開発に伴う商環境の変化や次世代顧客獲得を踏まえ、専門店に特化した商業施設への移行を決めた。
立川高島屋S.C.は百貨店区画1万1141平方メートル、テナント区画1万9980平方メートルの計3万1121平方メートルの中規模商業施設。百貨店区画は地下1階の食料品、1階の特選ブティック・化粧品・婦人雑貨、3階の婦人服の3フロアで構成している。百貨店区画の22年2月期の売上高は80億円だった。それ以外はテナント区画としてニトリ、ユザワヤ、ゴールドジム、ジュンク堂書店などの51店舗が営業している。百貨店区画には正社員を含めて約140人が働いており、正社員は配置転換、地域雇用従業員には雇用支援を行う。
JR立川駅周辺には立川高島屋S.C.、伊勢丹立川店、ルミネ立川、グランデュオ立川などの商業施設がひしめき合う。さらにモノレールで2駅しか離れていない再開発エリアには、14年にイケア立川、15年にららぽーと立川立飛がオープンし、競争が激化していた。高島屋の百貨店区画の撤退によって、立川では伊勢丹立川店が唯一の百貨店になる。