百貨店やセレクト有力店のバイヤーに、2022-23年秋冬の傾向と買い付けを中心に気になるブランドなどを聞いた。春夏に続き“着たいものを自由に着る”というムードが継続。海外渡航制限で、今まで以上に東京ブランドへの注目が高まっている。
※各店の買い付け商品は、写真の洋服と異なる場合があります。 sup>
女性らしいしなやかな健康美で
引き続き「性の解放」を提案
神谷将太/伊勢丹新宿本店リ・スタイルバイヤー
引き続き「着たい洋服を選びませんか?」というスタンスの方が、共感を得られると考える。核となるのは、「多様化する個人の価値観・生き方というスタイルに対して、美しい選択になるようなスタイリングの提案に挑戦しつづける」というコンセプト“ビューティフル・チョイス”。「サステナブルだけだと“グッド”や“グリーン”になりがちだが、一方でパンクな発想があっても良い。それらの中間にあるのが“ビューティフル”と考え、掲げている」と話す。トルソーなどによるスタイリングなどで、リ・スタイルが考える今のムードを表現したい考えだ。
「性の解放」は、引き続き提案する。「ありのままの自分が美しい」というオープンマインドを訴えるが、正直「露出」や「ボディコン」はハードルが高い。そこで「しなやかな健康美」や「女性らしいシルエット」「部分的な肌見せや、背中などの健康的な露出」「ドレープやギャザー」など意識して買い付けた。こうしたスタイルを「For My Way(自己表現)」と「For Love(多様で区別のない愛)」「For Future(サステナブルなスローファッション)」の切り口で表現したい考えだ。スリットの深いアイテムが多かった「マメ クロゴウチ」や「レジーナ ピョウ」「アカネ ウツノミヤ」などに期待。セットアップにはセカンドスキンを合わせたり、コルセットでコントラストを効かせたりを提案する。ジャケットはコンパクトなタイプを中心に、例年よりは豊富に買い揃えた。また「スタート ア ジャーニー」というテーマで、機能性素材を用いたアイテムや風景モチーフのアイテムも買った。注目の色は「グリーンのバリエーション」だ。
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