サステナビリティと向き合う中「よい生地って何?」と根本的な疑問が浮かぶアパレルの企画担当は多い。これまでは希少性が高価格につながり、それを使ってデザインすることで“憧れ”を生んできた。だが毛皮そっくりのハイテク素材がラグジュアリーかと言えばそうでもない。果たして消費者に提供できる新しい価値とは?(この記事はWWDジャパン2022年4月25日・5月2日合併号からの抜粋です)
「ラグジュアリーなサステナブル素材とは」の難しい問いに、スタイレム瀧定大阪の谷田修一専務取締役経営企画本部長サステナビリティ推進室長は「ラグジュアリー向けに関しては、環境に配慮された原料や加工によってテキスタイル自体のスペックを落とすのではなく、時代が求めるハイスペックな商品を提供していくことが重要だ」と答える。同社は長年、国内外の中高級ブランドへ生地を販売し、ここ数年は海外のラグジュアリーブランドからのサステナビリティ観点での厳しい要求にも応えてきた。そのノウハウはそのままに素材をサステナブルなものへ「置き換える」。シンプルで筋の通った考え方だがサステナブルな素材は研究段階が多く技術・価格的に試行錯誤の連続だという。その結果生まれているのが、上のような生地だ。プルミエールヴィジョンなどに出展しているコレクションでいずれの商品も環境に配慮した原料を使い、なおかつ細番手やハイゲージ、高密度など難易度の高い商品になっている。
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