ファッション

LVMHのアルノー会長兼CEO、80歳まで続投可能に

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO、73歳)のCEO年齢制限を80歳まで延長する。株主総会で81.6%の賛成多数で決議された。同社の内規ではCEOは75歳までと定められていた。

 総会で議長を務めたアルノー会長兼CEOは、「2021年度の営業利益172億ユーロ(約2兆3392億円)は、他のラグジュアリーグループの売上高に匹敵する」と業績を誇り、「高級品は四半期ごとの競争ではなく、長期的な戦いであり、(株主も含めた)ファミリーによって運営されるのが最善である」と強調した。

 アルノー会長兼CEOは1949年3月5日生まれ。71年にパリ理工科大学を卒業し、ニューヨークで父親の建設会社で経営に携わった。84年にパリに帰国し、投資会社フィナンシエール・アガッシュを再構築する中で、倒産して売りに出されていたテキスタイル会社で「クリスチャン ディオール(CHRISTIAN DIOR)」を保有するブサック・サンフレールを買収。89年にLVMHの筆頭株主になり、現在に至る。

 5人の子どもがおり、それぞれグループの要職に就いている。「ルイ・ヴィトン」エグゼクティブ バイス プレジデントなどを務める長女のデルフィーヌ、LVMHのコミュニケーション&イメージなどを取り仕切る長男のアントワーヌ、ティファニーの取締役副社長を務める次男のアレクサンドル、「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」CEOで三男のフレデリック、「ルイ・ヴィトン」ウオッチ部門ディレクターで四男のジャン。年齢制限延長に伴い、後継者選びも先送りとなりそうだ。

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