経済産業省は2021年11〜12月に有識者会議「これからのファッションを考える研究会 ~ファッション未来研究会~」を開催し、ファッション領域において日本が海外需要を獲得していくために必要な方策を議論し、このほど報告書を公開した。同省のホームページから閲覧、ダウンロードができる。
会議はオンラインで5回開催し、34人の有識者が参加。各回に設けたテーマに沿って、活発な議論がなされた。「ファッション業界を取り巻く環境は、消費の多様化や気候変動などの社会課題に声を上げる新たな消費者層の台頭、デジタル領域をはじめとする自己表現の場の拡大(デジタルファッション)など大きく変わりつつある。同時に新しいサービスモデルの出現やリセール市場の活性化、デジタル技術を活用した新たな市場の創造、バイオ技術の活用など国内外において、ファッションの“未来”の兆しが出てきている」と同省。議論はその“未来”の形を予測し議論するものとなった。
報告書は次の10のキーワードで構成され、6人の識者へのインタビューや産業構造を示すデータなどを交えて横型資料で97ページにおよぶ。同省は、この資料が企業の戦略策定や学校教育資料として活用されることを期待している。表紙に掲載しているメールアドレスには閲覧者からの意見を受けつけている。
10のキーワード
1.需給ギャップを縮小させるビジネスモデル
2.良いモノを長く楽しむファッション文化
3.循環システムの構築
4.質量のないデジタルファッション
5.創造性の発揮を支援するテクノロジーの台頭
6.創造社会の新しい市場ルール
7.ラグジュアリー概念のアップデート
8.これからの海外需要獲得
9.ビジネスで留意すべきファッションロー
10.ファッションの未来に求められる人材論
*以下、肩書きは2021年12月16日時点
座長
水野大二郎/京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab 特任教授/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授
副座長
軍地彩/gumi-gumi代表
副座長
福田稔/ローランド・ベルガー パートナー
委員
安西洋之/モバイルクルーズ代表取締役
石川俊祐/KESIKI Inc.パートナー
海老澤美幸/三村小松山縣法律事務所 弁護士/ファッションエディター
梶原加奈子/KAJIHARA DESIGN STUDIO CEO
金山裕樹/ZOZO NEXT代表取締役
鎌田安里紗/ 一般社団法人 unisteps 共同代表理事
河野秀和/シタテル代表取締役CEO
川崎和也/Synflux代表取締役兼CEO
栗野宏文/ユナイテッドアローズ上級顧問
小泉智貴/TOMOKOIZUMIデザイナー
コシノヒロコ/ファッションデザイナー
齋藤牧里/afumi.inc代表取締役
鈴木淳哉/chlomaデザイナー
須藤玲子/テキスタイルデザイナー
関山和秀/Spiber取締役兼代表執行役
高橋悠介/CFCL代表兼クリエイティブディレクター
田原純香/メルカリ サステナビリティチーム マネージャー
鶴岡裕太/BASE代表取締役CEO
中里唯馬/YUIMA NAKAZATOデザイナー
中野香織/Kaori Nakano代表取締役、昭和女子大学客員教授
ノルベール ルレ/LVMH ジャパン株式会社 代表取締役社長
福田泰己/アダストリア 取締役
藤嶋陽子/ZOZO NEXT Fashion Tech News 編集長
辺見芳弘/ヨウジヤマモト取締役会長
松下久美/ファッションビジネス・ジャーナリスト、クミコム代表
松島倫明/WIRED日本版編集長
向千鶴/WWDJAPAN編集統括兼サステナビリティ・ディレクター
村木剛/ヨウジヤマモト常務執行役員
森田修史/クチュールデジタル代表取締役 CEO
森永邦彦/アンリアレイジ代表取締役社長/デザイナー
渡邊真之助/海外需要開拓支援機構 投資戦略グループ シニアディレクター
<オブザーバー>
黛桂子/ファーストリテイリング サステナビリティ部 グローバル環境マネジメントチーム リーダー
シェルバ英子/ファーストリテイリング コーポレート広報部 ソーシャルコミュニケーションチーム リーダー
経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室
産業技術環境局 資源循環経済課
製造産業局 生活製品課
商務情報政策局 コンテンツ産業課
環境省 「ファッションと環境」タスクフォース