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ワークマン減益予想 今期、仕入れ価格高騰で

 ワークマンの2022年3月期は、小売業の売上高に相当するチェーン全店売上高が1565億円、そこからフランチャイズ加盟店へのマージンを除いた営業総収入が1162億円、営業利益が268億円、純利益が183億円だった 。引き続きコロナ禍でのアウトドア需要が追い風となった。積極的な出店戦略も継続し、店舗数は前期末から38店舗純増の944店舗とした。ただ既存店売上高は前期比1.5%増と、成長ペースが鈍化している。

※同社は22年3月期から収益認識に関する会計基準を適用。そのため前期との比較は行わない。参考値として21年3月期のチェーン全店売上高が1466億円、営業総収入が1058億円、営業利益が239億円、純利益が183億円

 アスレジャーテイストを主軸とするPB(プライベートブランド)商品の売上高は前期比12%増の977億円に達した。カジュアル業態「ワークマンプラス(WORKMAN PLUS)」の店舗数は前期末から純増100(ワークマン単独業態からの改装を含む)の計372店舗。ただ、同業態単独の既存店売上高は微減(0.2%)となり、伸び悩みが顕在化している。

 小濱英之社長は、「今後既存店の大きな成長は見込んでいない。(出店拡大による)店舗網全体で売り上げを拡大していく」との考えを示す。「既存店舗の売上高は年々、超えるべき前年のハードルが高くなる。ただ当然ながら店舗は面積が限られ、お客さまが買いやすい最適な売り場の形態とのバランスを考えねばならない。そうなると、1店舗あたりの売上高はだいたい2億円が天井だと考えている」。同社の22年3月期における既存店平均年商は1億6400万円に達した。

 引き続き「国内1500店舗体制」の中長期目標は維持する考え。「お客さまの来店を分散したり、ECによる店舗受け取りといった利便性を高めたりという点でも、出店は続けていく」。

 23年3月期は仕入れ価格の高騰により、増収減益を予想する。営業総収入は前期比6.7%増の1241億円、営業利益が同8.7%減の244億円、純利益が同8.3%減の167億円を見込む。店舗数は引き続き「ワークマンプラス」がけん引する形で38店舗の純増を計画。現在12店舗を展開している「ワークマン女子」もショッピングモールを中心に、新規に16店舗を出す。PB商品は前期比15.3%増を目標値に掲げ、街着と仕事着の垣根を越えた「アーバンワークウエア」の提案やウィメンズ衣料のラインアップ、アウトドア・スポーツ分野を強化する。

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