ミズノの2022年3月期連結業績は、売上高が前期比14.8%増の1727億円、営業利益が同159.4%増の99億円、経常利益が同82.1%増の110億円で、ともに連結決算開示以降で過去最高益となった。純利益は同105.9%増の77億円だった。
売上高はコロナ前の20年3月期の1697億円を上回った。21年3月期の大きな落ち込みからの反動に加え、欧米を中心とした海外市場でゴルフクラブやランニングシューズが急回復した。粗利益率が1.1ポイント改善され、販売管理費率も2.1ポイント低下した結果、利益が大幅に増えた。
海外売上高比率が34%に拡大した。米州の売上高は同31%増と回復。特にカスタムフィッティングのゴルフクラブが好調で、利益率も大幅に改善した。欧州はゴルフとランニングがけん引し、売上高、営業利益ともに過去最高となった。高反発ソール素材「ミズノエナジー」を搭載したモデルを拡充し、欧州中心に評価が高まった。アジア・オセアニアでは、売上高が同30%増で19年度の水準までほぼ回復。好調を維持しているゴルフ用品が業績を下支えした。
日本国内は野球やサッカー、ゴルフが堅調に推移。東京五輪と北京五輪でのブランドアピールが増収に寄与し、営業利益はコロナ禍前の水準を上回った。
23年3月期は売上高が前期比5.9%増の1830億円、営業利益が同6.3%増の105億円、純利益が9.3%減の70億円を見込む。売上高は24年3月期に2000億円、25年2月期に2150億円をめざす。サプライチェーンの混乱や原材料の高騰によるコスト高に対応するほか、イノベーションの取り組みで新領域にもチャレンジする。海外では、ゴルフ市場の好況を見極めながら、ランニング、サッカーも新たな成長カテゴリーとして強化。「24年度には海外販売比率を4割近くまで伸ばすとともに、シューズがアパレルの売り上げを抜く見通しだ」(水野明人社長)。