ベルリン発のオンラインメディア「ハイスノバイエティ(HIGHSNOBIETY)」は5月13日、デンマークのコペンハーゲン空港にコンセプトショップ、ゲートゼロ(GATEZERO)初の常設店をオープンした。場所は、セキュリティチェック後の出発エリア。32平方メートルの店内では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのウエアやバッグ、シューズ、雑貨、フレグランスから、「ハイスノバイエティ」が同店のために制作した限定コレクションまでを扱う。「グッチ(GUCCI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などに加え、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」「ジェイダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」「アンブッシュ(AMBUSH)」「1017 アリクス9SM(1017 ALYX 9SM)」といったトラベルリテールでは珍しいブランドを導入しているのもポイントだ。
Z世代とミレニアル世代が中心読者層である「ハイスノバイエティ」の調査によると、読者の95%は今後半年以内に旅行を計画しているが、空港でショッピングをする予定なのはわずか3%のみだという。ゲートゼロは、そんな若い世代が旅行者の中心層になりつつある中、従来のトラベルリテールに変化をもたらすため、独トラベルリテール大手のゲーブル・ハイネマン(GEBR. HEINEMANN)との合弁事業として立ち上げられた。その第一弾として、2021年11月には、スイスのチューリッヒ空港に半年間限定のポップアップショップを出店。「コンセプトがうまく機能することが分かっただけでなく、考えていたよりも大きなターゲットグループを引きつけることができた」と、サイモン・ヴァイスコプフ(Simon Weisskopf)=ゲートゼロ共同マネジング・ディレクターは説明する。また、ヴィクター・チャン(Victor Chan)同マネジング・ディレクターは、「ゲートゼロは、トラベルリテールにおけるパラダイムシフトを象徴している。目指すのは、立ち並ぶショップの前を何気なく通り過ぎる乗客の心をつかむことだ。私たちは、ユニークな店内体験や差別化されたデジタルリーチ、そして空港という環境での今までにないような商品ラインアップによって、それを実現する」とコメント。「ゲートゼロは、ブランドやプロダクト、ストーリーテリングのために常に変化し続けるハブとして、店舗自体が旅の目的地になる」と話す。
今後は、まだ空港名は明かされていないが、22年秋に新店舗オープンが決定。ゲーブル・ハイネマンが誇る世界の数多くの空港との長年にわたる信頼関係を生かし、他の空港への同コンセプトの提案にも取り組んでいるところだという。