毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2022年5月23日号からの抜粋です)
美濃島:スノーピークはなぜこんなに伸びているんだろうと考えていたのですが、人の巻き込み方が上手。社長の(山井)梨沙さんのビジョンが明確で、皆が同じ方向に動けています。今回、サービスを導入している企業も取材したのですが、“人生に、野遊びを。”という企業姿勢に惚れ込んで、一緒に活動して、ビジネスとして数字も取れています。その巻き込み力に迫りたくて、特集を企画しました。
大塚:外からはトガっていることをやっている企業に見えるのに、実際に入り込んで見ると、本当に地道なことをしているよね。そのあたりのイメージ作りやブランディングがすごく上手いと感じる。社内に対しても同様で、「スノーピークとは」をうまく浸透させている。梨沙さんを社長に抜てきした人事もそうだけど、伝えるためのデザイン力に優れている。そういうところが一緒に何かやりたいと思わせるんじゃないかな。
美濃島:梨沙さん自身もクールなイメージがありますが、実際に話すとすごくフラットで、みんなの意見を聞きながら会社を成長させようという姿勢がにじみ出ていますよね。社員一人一人が主体的に動くような空気を作るのが上手なんだろうなと感じました。
大塚:取材で何が印象に残った?
美濃島:新たに家具ブランドをスタートし、統括したのが僕と同じ年齢の社員でした。キャンプでテントを立てるのと同じ感覚を家に持ち込んだモジュール式家具なのですが、すごく柔軟な考えの下で新しいプロダクトに挑戦するな、と刺激を受けました。若手に任せる会社の度量にも引かれます。
大塚:投資する思い切りの良さはすごいよね。全部が全部収益化できてはいないだろうけれど、始めたものは投資し続けている。“スノーピークらしさ”の筋が通っているから、事業拡大してもブレないんだなと納得できる。“らしさ”の言語化はカギだと思う。その解像度が高ければ高いほど、ブレないし、強いよね。個人的には山井太(とおる)会長にも会ってみたいなと思っている。今の土壌を作った人だし、目下は海外市場の開拓に邁進しているよね。
美濃島:そうですね。ぜひ今度登場してもらいましょう!