「エトロ(ETRO)」の新クリエイティブ・ディレクターに、6月1日付でイタリア人デザイナーのマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)が就任する。これまでウィメンズ、メンズ、ホームをそれぞれ手掛けていた創業ファミリーのヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)、キーン・エトロ(Kean Etro)、ヤコポ・エトロ(Jacopo Etro)の後任となり、すべてのコレクションを監修する。就任後初のコレクションは、9月のミラノ・ファッション・ウイークで発表する2023年春夏ウィメンズ・コレクションになる予定だ。
マルコはシチリア出身。ローマのヨーロッパ・デザイン学院を卒業後、00年に「フェンディ(FENDI)」のアクセサリーラインのデザイナーとしてキャリアをスタートさせた。09 年には、自身の名を冠したウィメンズウエアブランドを設立。同年、「ヴォーグ イタリア(VOGUE ITALIA)」とアルタローマ(Altaroma)による新人デザイナーコンテストの 「フー・イズ・オン・ネクスト?(Who is on Next?)」で優勝を掴み、イタリアファッションの未来を担うデザイナーとして注目を集めてきた。
また1968年創業のエトロは、2021年7月にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社、Lキャタルトン(L CATTERTON)に株式の60%を売却している。創業ファミリーであるヴェロニカ、キーン、ヤコポは、引き続き L キャタルトンと協力し、ブランド戦略の発展に貢献するという。
21年12月に就任したファブリッツィオ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)最高経営責任者は、「ブランドの新しい道筋を担うマルコ・デ・ヴィンチェンツォの加入を心から歓迎する。彼の色使いやプリント、ファブリックに対する感性で、『エトロ』の類まれなヘリテージを新たに解釈し、素晴らしいクリエイションを見せてくれるだろう。また、アクセサリーの分野にも新たな活力を与えてくれると確信している」と述べる。