若年層に人気の米国発D2Cビューティブランド「グロシエ(GLOSSIER)」のエミリー・ワイス(Emily Weiss)最高経営責任者(CEO)が退任した。ワイスはトップを降りるが、引き続きエグゼクティブ・チェアマンは務める。後任はカイル・レイヒー(Kyle Leahy)前チーフ・コマーシャル・オフィサー。
ワイスはブログで「私はグロシエの創業者であることには変わりない。しかしCEOは会社を明るい未来へと引っ張ってくれるチャンピオン。世界トップの企業は時代に合わせ、次なるチャプターへと導いてくれるふさわしい人物をCEOのポジションに起用している」とコメントした。
「グロシエ」は2014年にスタート。元々「ヴォーグ(VOGUE)」や「W」などで経験を積んだワイスは10年にブログ「イントゥ ザ グロス(INTO THE GLOSS)」を立ち上げ、業界人のポーチや洗面台に置いてある化粧品を紹介して人気を集めた。D2Cブランドとしてローンチした「グロシエ」はナチュラルな仕上がりやミニマリスティックなパッケージでミレニアル世代に絶大な人気を博した。21年には8000万ドル(約101億円)の資金を集め、これまで調達した総額は2億6500万ドル(約336億円)以上にのぼった。ワイスによると、18〜34歳の米国の女性のおおよそ半数が「グロシエ」を知っており、全顧客数は600万人いるという。
しかし近年は人種差別やパワハラなどが問題になり、人気がやや低下していた。調査会社のスペイト(SPATE)によると同ブランドのグーグル(GOOGLE)検索は50%以上、トライブ ダイナミックス(TRIBE DYNAMICS)によるとアーンドメディアバリューは45%落ちたという。同社は今年に入って大規模なリストラを行い話題を集めた。