伊勢丹新宿店本館1・2階化粧品売り場の2〜4月商況は、前年同期と比較して2ケタの増収だった。感染の収束が現実味を帯びてきたことでこれまでスキンケアがけん引してきた構図に変化が見られた。“脱マスク生活”を見据え、ファンデーションなどのベースメイクやリップスティックなどの需要が本格的に上向き出している。(この記事は「WWDJAPAN」6月6日号からの抜粋です)
商品カテゴリー別では、リップスティックは約10%の伸長。コロナ禍の収束を見越した消費動向ではあるものの、マスクに付着しづらい処方は各社が注力しており、吉田広紀・新宿化粧品商品部 化粧品バイヤーは「今後もお客さまが商品を選ぶ際の大事なポイントの一つとして定着していくだろう」と見通しを語る。「ディオール(DIOR)」「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」などのプレステージブランドもリップ関連が売り上げをけん引。エンゲージメントの高い既存顧客向け販売とプロモーションによる若年層獲得の両輪で、他を寄せ付けない強さを見せる。「ディオール」は1月から1階のイベントスペース「ザ・ステージ」で、製品容器をアイコニックな千鳥格子柄で包んだコレクションを限定展開。自然由来のケア成分を配合し、美しい仕上がりが長く続く定番リップ“ルージュディオール”や“ルージュディオールバーム”は「若い女性だけでなく、ジェンダー観に縛られない男性客もお求めになられる」。「イヴ・サンローラン」も1月に人気ボーイズグループがブランドアンバサダーに就任し、若い女性の呼び水になっている。5月にはグローバルイベント「YSL BEAUTYZONE」を「ザ・ステージ」と三越伊勢丹化粧品オンラインストア「ミーコ(MEECO)」で同時開催した。
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