ダイソン(DYSON)は6月9日、パナソニックのヘアドライヤー「ナノケア」の“EH-NA0G”の広告が不正競争防止法に違反するとして、東京地方裁判所に広告の差し止めや抹消を求め提訴した。同製品の広告表示が消費者に誤解を与えると主張している。これに対してパナソニックは、「訴状が届いていないため、コメントは差し控える」としている。
ダイソンは、同製品のナノイー技術が髪への影響や髪の潤い、髪の保護に与える影響に関する複数の広告表示が不正確であり、公正な競争を阻害するものであると主張。「EH-NA0Gで使用されている高浸透技術により『水分発生量が従来の18倍』になる」「EH-NA0Gは『髪へのうるおい、1.9倍』を与える」「『枝毛発生率も低減』し、180回の洗髪と乾燥後の枝毛発生率は、イオンなしのドライヤーで乾燥した髪よりもEH-NA0Gで乾燥した髪の方が低くなる」「EH-NA0Gを使用して乾燥させた髪は、イオンなしのドライヤーを使用して乾燥させた髪と比較して『ヘアカラーの色落ちを抑えます』」の表現が該当するという。その裏付けとして、独立した第三者機関による試験結果を証拠として提出したとしている。ダイソンは、「消費者が購入する商品は広告に表示されたとおりの性能を有しているべき。これまでも消費者に対する虚偽表示や誤解を招く表示に対して異議を申し立ててきた歴史がある」とコメント。ダイソンはこれまでパナソニックの代表者に直接懸念を伝えてきたが解決に至らなかったため、法的措置を選択したという。
パナソニックの「ナノケア」シリーズは2005年に誕生し、20年にはシリーズ全体の国内累計販売台数が1300万台を突破。“EH-NA0G”は「ナノケア」の最上位機種として21年9月から販売している。
一方ダイソンは、同社初となる美容家電としてヘアドライヤー“スーパーソニック”を16年から販売を行なっている。