米「ソーシングジャーナル(SOURCING JOURNAL)」は、アディダス(ADIDAS)が6月10日、同社が保有する9つの特許を侵害しているとしてナイキ(NIKE)を提訴したと報じた。アディダスが米連邦裁判所に提出した書面によれば、「ナイキ」のワークアウト用アプリ「ナイキ ラン クラブ(Nike Run Club)」と「ナイキ トレーニング クラブ(Nike Training Club)」、スニーカーの製品情報などを扱う「SNKRS」アプリのほか、靴ひものフィット感をアプリで調整する“NIKE ADAPT(ナイキ アダプト)”システムなどに使われている技術がアディダスの特許を侵害しているという。アディダスは陪審員裁判の実施、当該事業の差し止め、損害賠償の支払いなどを求めている。なお、この提訴に対して、「ソーシングジャーナル」はナイキの反応について報じていない。
ナイキとアディダスは、以前から“特許紛争”とも言える状態となっている。ナイキは“フライニット(Flyknit)”素材の技術に関する特許を2004年に取得し、12年に同素材を使用したシューズを発売。アディダスはこの“フライニット”技術の特許を無効とするよう求めていたが、これを有効とした米国の特許審判部(Patent Trial and Appeal Board)の判決を不服とし、17年11月に控訴している。一方で、ナイキは21年12月、アディダスの複数の製品が“フライニット”技術の特許を侵害しているとして、米国への輸入差し止めを米国国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission)に申し立てている。