「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」は、イタリア・フィレンツェで開催中のメンズ見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」にゲスト・オブ・オナーとして参加し、同ブランドのアーカイブを展示する特別プロジェクトを現地時間15日に開催した。会場は「ピッティ」会場近くのレオポルダ駅で、場内には過去の貴重なアイテムから2022-23年秋冬コレクションまで、46体のルックが並んだ。創業デザイナーのアン・ドゥムルメステールも来場し、各国のジャーナリストや関係者に囲まれて和やかに談笑していた。
ドゥムルメステールは、アントワープ王立芸術アカデミーを1981年に卒業し、パートナーのパトリック・ロビン(Patrick Robyn)と共に「アン ドゥムルメステール」を1985年に設立。ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)やドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、マリナ・イー(Marina Yee)、ダーク・ヴァン・セーヌ(Dirk Van Saene)、ダーク・ビッケンバーグ(Dirk Bikkembergs)と共に“アントワープ・シックス”として注目を浴びた。92年にパリ・ファッション・ウイークでウィメンズ・コレクションを披露。2006年には東京の表参道ヒルズに、アントワープに続く単独点をオープンした。2013年にはドゥムルメステールがデザイナーを辞任。20年にイタリア・ミラノのセレクトショップ、アントニオーリ(ANTONIOLI)創業者のクラウディオ・アントニオーリ(Claudio Antonioli)が同ブランドを買収している。
コレクションは過去から一貫してホワイトとブラックに徹しており、シャープなテーラリングに繊細なニュアンスや大胆な装飾を加え、ロマンティックに仕立てるクリエイションが特徴だ。この日並んだ46体のコレクションにはタイムレスな色気とムードがあり、ドゥムルメステールの美学は過去から現在に到るまで揺るがないことを証明した。