英国発ビューティブランド「ラッシュ(LUSH)」は6月28日、東京と大阪で同性婚の法制化に向けた街宣活動を開催した。東京では新宿駅東南口広場で、大阪ではヨドバシカメラマルチメディア梅田柴田交差点前で行った。
「ラッシュ」のスタッフのほか、公益社団法人マリッジ・フォー・オール・ジャパン(Marriage For All Japan、結婚の自由をすべての人に)、LGBT支援団体、同性婚訴訟の一部原告らが参加。結婚をイメージさせる白い洋服に身を包み、「結婚の自由をすべての人に」「同性婚実現に声をあげよう」のメッセージボードとハート型のボードを静かに掲げる"サイレントデモ"で、婚姻の平等を訴えた。また、4人のオペラ歌手も参加し、LGBTQ+コミュニティーの描写でも有名なブロードウェイミュージカル「レント(RENT)」の1曲"シーズンズ・オブ・ラブ(Seasons of Love)"を歌った。事前に一般への告知はなかったものの、東京の現場には延べ500人程が集まり、歌唱パフォーマンスにあわせて手拍子でデモを盛り上げた。
同活動は、6月24日~7月10日に行われている、同性婚の法制化に向けたキャンペーンの一環。キャンペーンに賛同する12人のクリエイターが婚姻の平等をテーマに制作したアートをポストカードやデータとして配布し、カジュアルに賛同の輪を広げていくという企画も行っている。「ラッシュ」は、今年3月17~31日にも新宿店でサイレントデモを実施。第2回目の今回は、1969年にニューヨークのLGBTQ+のコミュニティーが集まるバー、ストーンウオール・イン(Stonewall Inn)の客が度重なる警察の踏み込み捜査に立ち向かいデモを起こしたことからストーンウオールの反乱の日として祝われる6月28日に公共のスペースでの開催に踏み切った。
3月と今回のキャンペーンを通し、多くの賛同の声を社内外からもらったと小山大作コーポレートコミュニケーション マネージャーは語る。ブランドのパーパスと立ち位置を示すことで、まだ家族にもカミングアウトしていないLGBTQ+当事者が「ラッシュ」のスタッフを信頼し、カミングアウトをしてくれるということが、全国の店舗で起きているという。同性婚訴訟では昨年3月17日、同性同士の結婚ができないのは違憲であるという歴史的な判決が札幌で出たものの、今月6月20日の大阪判決では合憲という判決が出た。このような時だからこそ「化粧品の店だが、店を出るときには少し婚姻の平等について考えてもらえると嬉しい」と話す。