ビューティ

韓国発メイクブランド「ジョンセンムル」が伊藤忠商事と独占販売契約 3年後売上高20億円へ

 韓国で人気のメイクアップアーティスト、ジョンセンムル(Jung Saem Mool)が手掛けるメイクアップブランド「ジョンセンムル(JUNG SAEM MOOL)」が日本展開に本腰を入れる。ブランドを運営するジョンセンムルビューティは3月15日に伊藤忠商事と独占販売契約を結び、D-Nee コスメティックと販売代理店契約を締結。7月15日に公式ECサイトを立ち上げるほか、バラエティーショップや大手ECモールなど販路を拡大し、3年後に売上高20億円(上代ベース)を目指す。

 「ジョンセンムル」はジョンセンムル氏のメイクアップアーティストとしての長年の経験とサンフランシスコ留学で学んだファインアートを融合し、2015年に誕生。7つの基本公式“KEY 7”(顔を小さく見せるテクニックや顔にバランスを与えるテクニックなど)を打ち出し、それをかなえるベースメイクやカラーメイク製品を取り扱う。19年にはタイで単独店舗をオープンし、中国やアメリカ、日本、タイ、台湾、インドネシアに販売網を広げる。日本市場へは19年9月に参入。22年上半期は日本(越境EC)の売り上げが前年同期比300%近く成長した。日本でKカルチャーへの関心が高まっている中で、韓国ブランドの商品力の魅力を理解する伊藤忠商事とビジネスを開始することになった。

 韓国での同ブランドのメイン顧客層は25~32歳で、20代の販売率が最も高い。200SKU程度を展開し、年間でベース系5品目、その他5品目の新商品をリリースする。客単価はベースメイク製品で3~4万ウォン(約3100〜4100円)、ポイントメイク製品で2万ウォン(約2100円)後半程度となる。日本では、韓国コスメファンだけでなく、Z世代~40代女性まで幅広い層をターゲットとする。立ち上げ時はスター製品のファンデーション“エッセンシャルスキンヌーダークッション”などベースアイテムを皮切りに、25SKU程度扱う。本国で展開するカラー系やツール系含むトータルで展開し50-100SKUまで拡大する。22年内にベースアイテムを拡充、22年秋冬ではアイシャドウやアイブロウ、リップなどのカラー系、メイクアップツールの追加する計画だ。今後発売する新商品は、日本のニーズを反映するなど、有機的にコミュニケーションをとり日本へのマーケットインを図っていく。

 スター製品の “エッセンシャルスキンヌーダークッション”で、ジョンセンムル氏が提唱するナチュラルメイクアップ方法を象徴するアイテムだ。自然なカバーとマットな仕上げを好む日本の消費者からも高い支持を得る。同製品を中心にブランドのキャンペーンを継続し、クリーム“ムルクリーム”や下地“スキンセッティングベース”といった“スキンヌーダー”ラインのポートフォリオを一層強化し、「ベースメイクブランドのNO.1アーティストクッションファンデーションの地位を確立していきたい」とジョンセンムル氏は語る。

 パーソナルカラーに基づいて製品を企画するのも特徴で、全製品はブランドのアイデンティティ「本来の美しさを引き出す」ことに直結する。メイクアップアーティストとしての活動も継続していることから、「化粧品を実際に使用する時に不便だった点を補完し、ユーザーの立場に立って製品を作った点もポイント。 例えば、化粧品の広告撮影場でコンシーラーとファンデーションを組み合わせ、混ぜて、調合して……を繰り返していた当時の不便さを思い出し、コンシーラーとファンデーションを一つにしたのが“スターシーラーファンデーション”だ (スタート時は日本での展開無し)」。

 そのほか、「パレットの上で調色して剤形を整えた後、顔にのせると正確なカラーと剤形が表現されるので“エッセンシャルスキンヌーダークッション”にもパレットを付けた。 手の甲に代わるメイクアップのパレットは肌と一番似た形に作った」。これらの特徴はユーチューブの公式チャンネルを通じて説明する。「チャンネルを通じて正確な使用方法と意味を説明できるということ、ブランドとしてアーティストとしてユーザーと素早くコミュニケーションできるということも『ジョンセンムル』の強み」という。

 How To動画などを含む、SNSを活用したマーケティングが得意なブランドであることから、SNSコンテンツの発信を通したブランド価値の向上を図り、アジアを代表するKビューティのメイクアップアーティストブランドとしての地位確立を目指す。

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