米カリフォルニア州でこのほど、プラスチック製の梱包材に関する国内で最も大胆なEPR(拡大生産者責任)法案が成立した。
同法案では、金属を含む使い捨ての梱包材においてリサイクル可能または堆肥化可能なものにすることを義務付け、プラスチック使用量の大幅な削減につなげる。特に2032年1月1日以降は、プラスチック製梱包材の65%以上をリサイクルすることを求める。生産者には登録、追跡、監査と年次報告書の作成を求め、これを怠った場合には罰金対象とする。
またプラスチックの生産者には、今後10年間で約50億ドル(約6804億円)を基金に支払うことを求め、汚染の軽減とリサイクルのためのインフラ設備を進める。さらに梱包材のサイズを縮小したり、再利用を念頭においた設計または素材に切り替えたりするなどして、32年までに梱包材の総量を25%削減することを求める。
なお、これらはシャンプーボトルや持ち帰り用のカップ、緩衝材など、日常的に使用される製品を対象とし、連邦食品医薬品化粧品法で規定されている医療用医薬品は対象外。現在のところ、不正開封防止材や微生物汚染の可能性がある製品についても含まないと見られる。
デンマーク発のスタートアップ企業で、使い捨て生活用品の代替品を販売するラストオブジェクト(LASTOBJECTS)の共同創業者イザベル・アーガルド(Isabel Aagaard)は米WWDの取材に対して、「私たちはこの法案を歓迎する。美容・化粧品業界において、梱包材は主要な汚染源の1つだ。廃棄物を削減し、プラスチック業界に説明責任を持たせるためのあらゆる取り組みが重要だが、32年までという期間が長すぎることを懸念している」とコメントした。「業界とプラスチックメーカーは、長い間サステナブルでない商慣習を通して利益を得てきた。カリフォルニア州がサステナブルな慣行をリードする役割を果たすことをうれしく思う一方で、私たちが直面している環境問題の深刻さを考えると、このスケジュールは野心的ではないと思う」。