イタリア・ファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)は、9月20〜26日に開催予定の2023年春夏ミラノ・ファッション・ウイーク(以下、ミラノコレ)の暫定ショースケジュールを発表した。最終日のみデジタル発表となるが、それ以外はほぼ全てのブランドがリアル発表を計画。「グッチ(GUCCI)」や「プラダ(PRADA)」「フェンディ(FENDI)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」から、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」「ディーゼル(DIESEL)」「マックスマーラ(MAX MARA)」「トッズ(TOD’S)」まで、60を超えるブランドがショーを開く。また、「モンクレール(MONCLER)」と「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」はそれぞれ、70周年と30周年のアニバーサリーを祝う。
今シーズンは、新クリエイティブ・ディレクターが就任したブランドのデビューショーが目白押しだ。9月23日には、フィリッポ・グラツィオーリ(Filippo Grazioli)の手掛ける「ミッソーニ(MISSONI)」と、マルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)による「エトロ(ETRO)」が初のショーを予定。翌24日には、マクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)が刷新する「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」と、「ルード(RHUDE)」を手掛けるルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)率いる「バリー(BALLY)」が、メンズとウィメンズの同時発表でランウエイデビューを飾る。オフスケジュールでは、アンドレア・インコントリ(Andrea Incontri)が就任した新生「ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン(UNITED COLORS OF BENETTON)」も、旗艦店でファーストコレクションをお披露目する。
そして、ミラノでは若い才能に光を当てる取り組みも増えている。「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」は今季、イギリス・ヨークシャーを拠点にするマティ・ボヴァン(Matty Bovan)を全面サポート。「ドメニコ・ドルチェ(Domenico Dolce)とステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana)のアーカイブを探りつつ、歴史的な作品と私の新しい作品をミックスしていくつもり」だとボヴァンが語る新作コレクションは、25日のショーで披露される。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は昨シーズンから、公式インスタグラムアカウントで1組の若手ブランドのショーを配信するプロジェクトを始動。今季は、ガリブ・ガサノフ(Galib Gassanoff)とルカ・リン(Luca Lin)による「アクト N.1(ACT N°1)」が選ばれた。さらに初日には、「ミラノ モーダ グラジュエイト(MILANO MODA GRADUATE)」と題した、イタリアのファッションスクールの優れた卒業コレクションを紹介するイベントも予定されている。こういった次世代デザイナーの支援とクリエイティブ・ディレクターの若返りによって、ミラノコレは変わりつつある。
一方、「マルニ(MARNI)」はミラノから離れ、ニューヨーク・ファッション・ウイーク(以下、NYコレ)でコレクションを発表する。ミラノコレで23年春夏ウィメンズ・コレクションを披露する「フェンディ」はNYコレにも参加。アイコンバッグ“バゲット”の25周年を祝うショーを開催する。