ユナイテッドアローズは4日、サステナビリティに関する目標数値および行動指針を発表した。「サーキュラリティー」「カーボンニュートラル」「ヒューマニティー」のカテゴリーで、2031年3月期を達成目処とする7つの数値目標を設定した。合わせて初めてESGデータブックを公表した。
循環型の仕組みを目指す「サーキュラリティー」では、商品の廃棄率を現在の1.0%から0.1%へ引き下げと、環境配慮商品の割合を現在の2.0%から50%へ引き上げを目指す。定価販売比率を向上させると同時に、サンプル品の販路拡大や傷物商品を発生させない方法を模索していくという。環境配慮商品については、現在社内基準の改定に着手しており今後事業ごとの目標値を策定していく。
「カーボンニュートラル」では、温室効果ガス排出量をスコープ1(自社による直接排出)と2(自社が購入したエネルギーによる間接排出)で20年3月期と比較して30%、スコープ3(自社がかかわるサプライチェーン全体での間接排出)で15%の削減を目指し、省エネと再生可能エネルギー由来の電力に切り替えを進める。この目標値は、気候変動による世界の平均気温上昇を産業革命前と比べ1.5度未満に抑えるというパリ協定へのコミットを証明する国際機関SBT(Science-Based Targets)認定を申請中だ。再生可能エネルギーの使用率は、現在の3.2%から50%へ引き上げることを目指し、店舗が入居するデベロッパーやビルオーナーなどに対して呼び掛けていく。
「ヒューマニティー」においては、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」などに基づき策定した「行動指針同意書」の取得率100%達成と、従業員のエンゲージメントスコアを現在の70%から80%へ引き上げることを目指す。
また同社は先ほど中国のウイグル地区で生産されている新疆綿の使用を中止する方針を発表した。今年秋冬の一部の商品で先行して使用をやめ、2023年秋冬以降全面的に中止する。トレーサビリティーについて4日のオンライン決算説明会で松崎善則社長執行役員CEOは、「大事にすべき人権の問題や認証項目よりも企業活動が優先されることがないよう、お客さまに自信を持って商品・サービスを提供していく」とコメントした。