ファッション

この夏聴きたい、海外フィメールDJ3選 若者を魅了する注目株

 ラップカルチャーが盛り上がりを見せる中、近年女性のDJを指す“フィメールDJ”が台頭している。男性が中心であることが多いヒップホップやクラブカルチャーの中で存在感を発揮し、音楽に限らずその生き方やファッションの着こなしなども若者を魅了している。ここでは、夏ムードを盛り上げる注目株の海外フィメールDJ3人を紹介する。

1 アンフィサ・レチャゴ(Anfisa Letyago)

 アンフィサ・レチャゴは、18歳ごろにシベリアからイタリアのナポリに移り、街の活気に満ちたエネルギーを吸収しながら過ごした。移住してすぐ地元のアンダーグラウンドシーンに触れることになり、そこでアーティストのマルコ・カローラ(Marco Carola)やガエターノ・パリシオ(Gaetano Parisio)らの音楽と出合う。これがDJとしてのキャリアをスタートするきっかけとなった。

 最初の楽曲「Stop Talking」をリリースしたあと、ナチュラ・ヴィヴァ(Natura Viva)やナーバス・レコード(Nervous Record)、インテック・デジタル(Intec Digital)といったレーベルとコラボレーションして、テクノミュージックで着実に評判を獲得。自身のレーベルN:S:DAを立ち上げて「Listen」や「HAZE」などを発表した。

 スタジオで楽曲制作をしながらDJとしても活動をしてスキルを磨く中で、2022年は国際的にも知名度を上げている。マイアミのウルトラ ミュージック フェスティバル(Ultra Music Festival)に初出演を果たし、コロンビアのバーム フェスティバル(Baum Festival)にも出演。スペインのイビザ島をはじめ、イタリア、フランス、オランダなどのクラブやパーティシーンにも引っ張りだこだ。

2 ティーシャ(TSHA)

 イギリス出身のDJ兼プロデューサーのティーシャ・マシューズ(Teisha Matthews)ことティーシャ。独学で音楽を学んだ彼女は、エレクトロニック・ミュージックを得意とする。イギリスの小さな町フェアラムで育ったあとロンドンに移り、音楽とともに波乱の子ども時代を過ごした。

 18年に楽曲「Dawn」でデビュー。続けて彼女が“アイドル”として憧れていたアーティスト、ボノボ(Bonobo)によるコンピレーションアルバム「Fabric Presents」内で「Sacred」をリリースした。19年にはインディペンデントなレコードレーベルのカウンター・レコーズ(Counter Records)と契約を結び、代表作である「Flowers」を発表した。新型コロナウイルスのロックダウン中に、異母姉妹がいることを知って実際に会いに行った経験などが作中で表現されているという。アップル(APPLE)が提供する音楽ストリーミングサービスのアップル・ミュージックではラジオシリーズ「Jackfruit Radio」を立ち上げ、DJミックスやアーティスト仲間らとの対話を公開している。

 ファッションシーンでも、「プーマ(PUMA)」や「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」とSNS上のキャンペーンでコラボするなど、じわじわと注目を集めている。22年5月24〜25日に開催された第75回カンヌ映画祭(Cannes Film Festival)期間に「プラダ(PRADA)」が開催した音楽プログラム「ザ サウンド オブ プラダ(The Sound of Prada)」の第3弾にも参加している。

 最近ではディプロ(Diplo)とコラボレーションしたり、アメリカツアーを開催したり、イギリスのイベントに多く参加するなど、22年は彼女にとって飛躍の年となった。10月には新アルバム「Capricorn Sun」のリリースを控えている、今最もエキサイティングな注目株の1人だ。

3 クロエ・カイエ(Chloe Caillet)

 クロエ・カイエはすでに、クラブシーンにとどまらず、ラグジュアリーブランドからも一目置かれる存在。DJとして「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ミュウミュウ(MIUMIU)」、「バーバリー(BURBERRY)」、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」といったブランドのショーやイベントのサウンドトラックを手掛けた実績を持つ。パリやニューヨーク、ロンドンを移動して回った“ノマド”的ライフスタイルが反映されたエレクトリック・ミュージックが人気を博している。

 ファンク、ディスコ、ハウス、アフロビートといったジャンルから影響を受けたスタイルを確立しており、アメリカを代表するアーティストのベック(Beck)の楽曲「Chemical」のリミックスや、彼女自身のデビュー曲「Love Ain't Over」が代表作に挙げられる。自身のレーベル、エクセス・レコード(Xcess Records)を立ち上げ、世界各国のフェスなどでDJとして活躍を続ける。22年6月にリリースした「Doudou」はまさに、夏の気分を盛り上げるホットな新曲だ。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。