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「コーチ」親会社、22年6月期は16%増収の9157億円 デジタルを軸とした成長戦略が奏功

 「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」などを傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)の2022年6月通期決算は、売上高が前期比16.3%増の66億8450万ドル(約9157億円)、営業利益は同21.4%増の11億7580万ドル(約1610億円)、純利益は同2.6%増の8億5630万ドル(約1173億円)だった。

 ブランド別の売上高では、主力の「コーチ」が同15.7%増の49億2130万ドル(約6742億円)だった。同ブランドは北米で400万人以上の新規顧客を獲得しており、その多くはミレニアル世代やZ世代などの若年層だという。なお、同ブランドの売り上げのうち30%をECが占めている。「ケイト・スペード ニューヨーク」は同19.4%増の14億4550万ドル(約1980億円)、「スチュアート・ワイツマン」は同12.1%増の3億1770万ドル(約435億円)といずれも2ケタ成長となった。

 22年4~6月期(第4四半期)で見ると、売上高は前年同期比0.5%増の16億2490万ドル(約2226億円)とほぼ横ばいだった。コロナ禍によるロックダウンの影響で中国市場での売り上げは同32%減となったが、北米は同12%増、欧州は同65%増、日本は同25%増など、その他の地域が2ケタ成長となったことで相殺されている。なお、同社は3年ほど前からデジタル強化を軸とした成長戦略“アクセラレーション・プログラム(Acceleration Program)”を実施しているが、これが奏功し、ECも同7~9%の成長となった。

 ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)最高経営責任者は、「22年度も傑出した業績を上げ、増収増益となったことをうれしく思っている。これは各ブランドの活力と、“アクセラレーション・プログラム”をしっかりと実行したことによるものだ。消費者にフォーカスした多角的なビジネスモデルのおかげで、平均単価を上げ、ECでのグローバルな売り上げを20億ドル(約2740億円)にまで成長させ、北米だけで770万人の新規顧客を獲得することができた。外部環境は厳しいが、ブランド力の強さと変化への迅速な対応により、今後も長期的な成長ができるものと確信している」と語った。

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