主要百貨店5社の2022年8月度業績は、おしなべて2〜4割の増収だった。ただし、コロナ禍以前の19年同月との比較では1割程度の減収。高額品消費の堅調に加え、ボリュームゾーンの衣料品でも秋冬の新作がよく売れた。一方、感染者数が高止まりする新型コロナの影響で入店客数が伸びなかった。
各社の前年同月と比較した売上高は、三越伊勢丹が46%増(19年同月比3.9%減)、高島屋が24.0%増(同10%減)、そごう・西武が22.5%増(同11.3%減)、大丸松坂屋百貨店が29.9%増(同14.4%減)、阪急阪神百貨店が42.6%増(同約10.0%減)。
三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店は前年同月比59.3%増。増税前の駆け込み消費があった19年実績をも2ケタ上回り、三越・伊勢丹統合後(08年〜)の最高売り上げを5カ月連続で更新した。同店の衣料品カテゴリーは前年同月比56%増、19年比で12%増。夏物のセール消化と並行して7月から秋冬物へのシフトを進めたことが奏功した。「特に高額なダウンジャケットなどの反応がよく、人気商品は早期に完売した」と同社広報。
阪急阪神百貨店の阪急本店では、ラグジュアリーファッションやバッグ、婦人靴で秋冬の新作が動いた。100万円以上の高額品も前年同月比1.9倍と高伸した。そごう・西武も衣料品が前年同月比25%増、19年同月比10%減と健闘。「帰省や旅行など外出機会の増加で、ジャストタイムで着られる軽めの秋物が動いた」(同社広報)。