ファッション

TOKYO BASE、中国市場で苦戦 出店ペースを減速

 TOKYO BASEが、厳しいゼロコロナ政策が続く中国市場で苦戦している。中国の既存店売り上げは2〜5月にかけて大きく落ち込んだ。上海地区のロックダウンが解除された6月以降は回復傾向が見られたものの、直近の9月では再びロックダウンが発生しており、「先行きが読めない状況だ」と谷正人CEOは9月28日に開かれた決算会見でコメント。これまで積極的に出店を続けてきたが、「中国本土での勝ちパターンを見極めてから、出店を再開する」という。7月末の海外店舗数は27店だったが、2023年1月期末までは純増1店に留める。

 一方、2〜7月の国内売上高は前年同期比12.6%増の78億円。国内事業の営業利益は58.1%増の3億7800万円と好調だった。ただし、インバウンド減の影響は大きく、コロナ前の水準には届かなかった。

 国内は既存店の移転・増床も進めるが、「増床した分の客層幅が取れていないことが課題」とし、プロダクトアウト型の商品開発に力を入れ、品ぞろえを充実させる。「最大の強みは、ファッション好きの若い社員がいること。社内で展示会を開催して社員の反応を検証するなど、過去の売れ筋データに依存せず、社員が本当に買いたいと思うものを作ることで結果につながるはずだ」と谷CEO。ECモールを含む国内店舗数は、「ユナイテッド トウキョウ(UNITED TOKYO)」名古屋パルコ店、「パブリック トウキョウ(PUBLIC TOKYO)」丸の内店、「エープラストウキョウ(A+ TOKYO)」池袋パルコ店、「ザ トウキョウ(THE TOKYO)」の表参道ヒルズ店の出店と自社ECサイトの開設が続き、7月末時点で67店。23年1月期末には69店となる見込み。

 22年2〜7月期連結業績は、売上高が前年同期比8.9%増の88億円、営業損益が1500万円の赤字(前年同期は3億5000万円の黒字)、最終損益はトントンだった(前年同期は2億8000万円の黒字)。「日本国内は回復傾向にある一方で、中国での損失をカバーしきれなかった」が、下期の業績予想は据え置いている。

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