ファッション

「ビューティフルピープル」は独自のコンセプトを探求しつつ、調和や平和を表現 パリコレで勝負する日本人デザイナーVol.11

 2019年春夏シーズンから洋服の内部に隠れている空間に着目する“サイドシー(SIDE-C)”という独自の考え方を掲げている「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」は、「A NEW WAY OF CONNECTING(つながるための新たな方法)」と題したコレクションで断絶や対立が多い世界へのメッセージを放った。ベースとなるのは、軍服を想起させるカーキグリーンのウエア。人が関わり合うパフォーマンスを通して、それが軽やかな衣服へと変わるさまを描き、調和や喜び、平和を表現した。

 フラップポケットの付いたミリタリージャケットは、上下をひっくり返すことでボレロのようなデザインに。パラシュートパンツは、ファスナーを開き、逆さにしてファスナーを閉めたりボタンを留めたりすることでケープ付きのドレスへと形を変える。2021年秋シーズンから探求している“ダブルエンド(両頭の意)”のアイデアを発展させたものだが、中には着方の変化と呼ぶには不自然な提案もあった。最後には、モデルがボディースーツのヒップ部分に収納されていたパラシュートを広げ、風をまといながら会場を駆け巡った後、それを頭からすっぽり被ってドレスに。登場したルックの数はかなり少なかったものの、メッセージ性の強い今季のストーリーを完結させた。

 着方の変化を実演するのは、一発勝負かつ編集のできないリアルショーではなかなか難しい。過去にはそれが間伸びしているように感じたショーもあったが、今回はそのプロセスにコンテンポラリーダンスの要素を取り入れることで、テンポ良く見せているのが印象的だった。

BEAUTIFUL PEOPLE x ファッションの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

27メディアが登場、これが私たち自慢の“ナンバーワン”【WWDJAPAN BEAUTY付録:化粧品専門店サバイバル最前線】

11月25日発売号は、毎年恒例のメディア特集です。今年のテーマは "ナンバーワン"。出版社や新興メディアは昨今、ウェブサイトやSNSでスピーディーな情報発信をしたり、フェスやアワードなどのイベントを実施したり、自社クリエイティブやIPを用いてソリューション事業を行ったりなど、事業を多角化しています。そのような状況だからこそ、「この分野ならナンバーワン!」と言えるような核を持てているかが重要です。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。