女性のヘルスケアに特化したフェムテック系サービスにより女性特有の健康課題を含む福利厚生や社内制度の見直しが進む中、行政も全面的にフェムテックの推進に乗り出している。日本発のフェムテック企業のパイオニアであるベア ジャパンの髙橋くみ代表取締役CEOと、自民党のフェムテック振興議員連盟(以下、フェムテック議連)で事務局長を務める宮路拓馬衆議院議員に、なぜ成長産業として期待できるのか、企業と行政が連携することで生まれる市場の可能性を聞いた。(この記事はWWDジャパン2022年10月10日号からの抜粋に加筆をしています)
WWD:今の市場が抱える課題は?
髙橋:フェムテックがただの流行にならないようにしなければいけない。言葉としては、いずれなくなっていけばいいものだと思うが、「何年か前にはやっていたよね」で終わってほしくない。われわれの目標は「生理だからと言って、あきらめない社会にしたい」ということ。生理のせいで離職するのはレアかもしれないが、仕事していく上では、生理によって我慢していることが多い。スポーツの世界では、生理の周期にあわせてトレーニングメニューを組むことも始まっているが、それが仕事の面でも当たり前になれば、女性がより働きやすい社会になると思う。
宮路:安倍政権下で女性活躍推進法ができたことは、大きな前進だと思うが、女性の管理職比率や男性の育児休暇取得率などの話は、それなりの環境が整った上での話というイメージがある。フェムテックの領域は全ての女性に関わることで、まさにウェルビーイングでありQOL。女性全員に直結する話なので、そこに手をつけずして、女性活躍といっても説得力がないとの思いがある。
フェムテックをただの流行で終わらせてはいけない
WWD:薬機法上、フェムテックの位置付けはどう変化していくべきか?
髙橋:まさに今、吸水ショーツは戦国時代。さまざまな価格帯があり選択肢が増えたのはとてもいいことだと思うが、明らかに品質に問題があるものも。それを初めて試す方が穿いてしまったら「吸水ショーツは信用できない」となってしまう。ある程度のレギュレーションは必要だと思う。21年には、雑品扱いとなっている吸水ショーツを生理用品として医薬部外品化するにあたっての評価の観点がまとめられた。まだ認可を受けたブランドはないようだが。
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