沖縄を拠点にパイナップルの葉やバナナの茎を衣料品などの素材に活用するフードリボン(宇田悦子社長)は、TSIホールディングスおよび豊島と業務提携を結んだ。利用されていない農作物を天然繊維製品にする企画・製造を大手アパレルと商社と組んで推進する。「出資も視野にいれた業務提携契約」(同社)で、年内にインドネシアでの繊維抽出を開始し、その後、フィリピンやタイなどアジア諸国での取り組みを広げる。
フードリボンは2017年創業のスタートアップ企業で、本社を沖縄県国頭郡大宜味村(おおぎみそん)に置く。パイナップルの葉やバナナの茎は、食用になる果実の数倍の量が毎年廃棄されてきた。そこから繊維を作り出すこともできるが、手間暇がかかり、また品質の維持の難しいため、利用は進んでいなかった。同社は量産可能な繊維抽出装置の開発に成功。さらに装置を小型化することで、農園に装置が置けるようになり、現地の農家の新しい収入源にする仕組みも構築した。捨てられていた葉や茎を資源として活用したり、輸送にかかるCO2を削減したりできるため、環境保全の点から注目を集めている。