凸版印刷は、コスメのアップサイクルに取り組むモーンガータと東洋インキと協業し、化粧品バルク(個別の容器に充填する前の化粧品の中身のこと)を再利用した印刷用インキおよび顔料「エコスメインキ(ECOSME INK)」を開発した。2025年までに「エコスメインキ」を使用した販促物やパッケージなどを化粧品メーカー10社へ提供することを目指すほか、化粧品メーカー各社と協力し「エコスメインキ」を使った制作物の開発の推進、活用可能性を広げ、化粧品業界全体のアップサイクルを進める。
同社は、多くの化粧品メーカー・色材メーカーが研究・開発工程や、品質を維持するためにやむを得ず市場に出せなくなってしまった化粧品バルクが発生し、廃棄物として処理されていることに着目。さらに化粧品の空容器などのリサイクルは進んでいるものの、化粧品バルクの再利用は限定的だったため、廃棄される化粧品バルクをインキの色材として再利用し、インキとして印刷物の製造に活用する取り組む方法を構築した。同社は、化粧品メーカーの不要となったバルクをモーンガータから調達し、東洋インキに委託し製造した「エコスメインキ」を用いて販促物・資材などを制作し、化粧品メーカーに販売する。
「エコスメインキ」は、化粧品の持つアイシャドウやファンデーションなどのパウダー化粧品原料を再利用し、ラメ感やパール感により従来のインキにはない独特な加飾表現が可能となる。