三井不動産の大型商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと堺」が大阪府堺市に8日開業する。ららぽーととしては国内18施設目で関西では4施設目。関西初出店33店舗を含む212店舗が出店し、初年度売り上げ目標は320億円を見込む。「Our Next Channel」をコンセプトに顧客とのさまざまな接点を用意し、多様化する消費者ニーズに対応。ららぽーとでは初となる屋内型のスタジアムコートを設けるなど、本格的なイベントや遊び体験ができる空間を充実させた。
コロナ禍により消費市場ではネット通販や巣ごもり需要が急増したが、第7波が収束しつつある今は「ライブやエンタメなどリアルの体験価値が強く求められていることを肌身に感じている」と同社の肥田雅和リージョナル事業部長は話す。
そこで、近年注目が集まるXスポーツやダンス、3x3などのスポーツと、音楽ライブやeスポーツなどのエンターテインメントに着目。施設中央の大規模な吹き抜け空間に、約1400人収容可能なスタジアムコート「ファンスタクロススタジアム」を開設した。国内商業施設としては最大級の542インチのLEDメインビジョンやリボンビジョンなどの映像設備に加え、音響や照明も本格的なイベント用設備をそろえた。「幅広いイベントや大迫力のライブビューイングなど本物のスタジアムさながらの臨場感を演出する」(肥田事業部長)。
スタジアムコートは約380席を有するフードホール「サカイ フード スタジアム」を併設し、広さは約2500平方メートル。11月19・20日に関西では初となるJBA主催の3×3公式戦ファイナルを開催するほか、以降もeスポーツの予選や、地元のラジオ局であるFM802の公開収録などが予定されている。
全テナントの3~4割を飲食と食物販が占めるなど食のゾーンにより力を入れているのも特徴だ。3フロアにわたってショッピングセンター(SC)初の注目店や人気店、手頃な店まで充実している。エリア最大級の1400席を有する3階のフードコート「サカイ フード キッチン」には、レンタルスペースやキッズスペース、コワーキング&カフェゾーンを併設し、地域コミュニティ拠点としての機能も備えた。
他には、スケートボードなどが体験できるアーバンスポーツゾーンや子供向け遊具を備えた屋外広場「ミハラパーク」、小動物と触れ合える癒しカフェ「モフアニマルカフェ」、堺の町や祭を表現したナムコの「太鼓の達人毎日おまつりだドン」、赤ちゃん絵本「しましまぐるぐる」がテーマの遊び場「しまぐるランド」など、子供が遊べる体験型店舗も充実している。
ららぽーと堺は、主要幹線道路沿いに位置し、高速道路のインターチェンジが近くにあるなどアクセス至便な立地にある。商圏は半径10km・30分圏内を想定。15km離れたららぽーと和泉とはMDの軸を変えながら連携し、大阪南部を中心に奈良も含めたエリアを開拓するという。
堺は大阪市のベッドタウンで、ららぽーとのメインターゲットであるファミリー層が多く住む。5km圏内には複数の大学が存在するため、若い世代の取り込みも期待できる。ウイズコロナ時代のリアル店舗の在り方を各社が模索するなか、「これまでに培ったノウハウを随所に取り入れ、スポーツ、エンターテイメントの融合といった新しい取り組みに挑戦していきたい」(肥田事業部長)と意欲を見せる。