イタリア発ジュエラー「ブチェラッティ(BUCCELLATI)」の3代目、アンドレア・ブチェラッティ(Andrea Buccellati)=ブチェラッティ名誉会長兼クリエイティブ・ディレクターが、ハイジュエリー発表のために来日した。コロナが落ち着いて、久々の来日になった。ブチェラッティ会長に、ブランドの強みや戦略などについて聞いた。
WWD:今回の来日の目的は?
アンドレア・ブチェラッティ=ブチェラッティ名誉会長兼クリエイティブ・ディレクター(以下、ブチェラッティ):毎年1回は来日していたが、コロナ禍でしばらく来日できなかった。今回は、フランス・パリ・オートクチュールで発表した新作ハイジュエリー“ジャルディーノ”の発表のために来日した。
WWD:「ブチェラッティ」が他のジュエラーと違う点は?
ブチェラッティ:家族経営で、祖父、父、私と3代に渡り、スタイル、デザイン、クラフツマンシップにおいてユニークであることを守り続けてきた。だから、ジュエリーを見ると「ブチェラッティ」だとすぐわかるはずだ。クラフツマンシップについては、特に、ルネサンス時代からのエングレービング技術を駆使したジュエリーを提供している。それは他のジュエラーとは一線を画する技術だ。自然やルネサンスなど、歴史や文化とつながりの深いスタイルというのもブランドの特徴だ。また、独特のテイストは、ファッショントレンドに左右することなく、タイムレスで何十年先でも着用できる。
WWD:コロナ禍ではどのような戦略をとったか?
ブチェラッティ:コロナ禍1年目は売り上げが落ちたが、2年目は売り上げがアップした。その理由は、ECに力を入れたことと商品力を強めたこと。ロックダウンが終了して、消費者による外出して買い物したいという気持ちが強まった。
エントリーからハイジュエリーまで強化
WWD:世界何ヵ国で販売しているか?好調な市場は?
ブチェラッティ:14〜15ヵ国で販売している。好調な市場は、中国、アメリカ、ヨーロッパだ。アジア全体が強くなってきている。
WWD:主要顧客の年齢層やタイプは?
ブチェラッティ:30〜50代が中心で、違いがわかるエレガントな女性が多い。20代の若い世代にも、着けやすいジュエリーが人気だ。
WWD:日本市場の戦略は?
ブチェラッティ:日本では約45年間販売している。現在、約7店舗あるが、店舗を拡大したり増やしたりしたい。また、日本人が好むデザインを提供する。
WWD:どのように他のジュエラーと戦っていくか?
ブチェラッティ:培ってきたスタイルやノウハウ、クラフツマンシップを大切にしていくことで差別化を図る。「ブチェラッティ」の唯一無二のテイストを理解してくれる消費者が増えつつある。そういう人々に着けてほしい。
WWD:今後、強化したいカテゴリーは?
ブチェラッティ:全てのカテゴリーを強化する。ハイジュエリーの強化も図りたいし、将来の顧客である若い人向けのラインも増やしていきたい。
WWD:メゾンとして取り組んでいるサステナビリティは?
ブチェラッティ:コンパニー フィナンシエール リシュモンの傘下なので、グループと足並みをそろえ、素材やもの作りの過程、二酸化炭素削減などについて関連機関の認証をとるようにしている。