ZOZOは9日、パーソナルスタイリングを軸にした体験型ショップ「似合うラボ(niaulab)」をオープンすると発表した。「似合うラボ」は都内の一等地に同社にとっては初となるリアル店舗を構えながら、服を売らず、しかも無料でスタイリングやヘアメイクを提供するという。すぐ近くには中国発の黒船グローバルSPAブランドである「シーイン」も初の常設のショールーミング型店舗を構える。真意はどこにあるのか。ZOZOの澤田宏太郎社長兼CEOを直撃した。
WWDJAPAN(以下、WWD):なぜ今「似合う」のなのか?
澤田宏太郎社長兼CEO:差別化のためです。極端に言えば、今の時代ってEC、ネット通販って大手中小といった企業規模に関係ないどころか、個人でもできる時代です。幸いにも、われわれはまだ成長し続けられていますが、この先さらに成長するために、何をすべきか。次の一手をずっと考えてきました。もちろんZOZOは絶対にファッションで生きる、生きていくんだという前提もあります。そうした中で見えてきたのが「似合う」です。
WWD:というと?
澤田:実はファッションの「似合う」って非常に深い言葉です。年齢や体形、性別などで変わることはもちろん、人間の内面的な好みや嗜(し)好によっても左右される。それこそ千差万別ですよね?ファッション購買の一歩手前の、購買を決定づける、あるいは左右する重要なファクターでありながら、「似合う」に特化したIT、あるいはECサービスはまだ存在していない。「オンライン試着」のようなサービスもあり、ECでは欠かせないサービスにもなっていますが、こと「似合う」の解決ということを考えると、単に服をバーチャルで体にあてがう、そんな単純なものではない。現在の最先端のITやビッグデータを駆使したとしても解決できない。逆に言うと、世界のどの企業ができないとしても、「more fashion」×「fashion tech」を掲げ、「ファッション × IT」に本気で取り組んでいるZOZOならできる、そう考えたんです。
WWD:「似合うラボ」の次にステップは、1年間、約1000件を回したタイミングで見えてくる?
澤田:そうです。実際には「似合う」に関しては水面下でいくつものプロジェクトが動いています。「似合うラボ」とAIには、そうした取り組みも組み合わせたときに、次の展開を考えたい。リアル店舗でのスタイリングサービスの提供とか「似合うラボ」の多店舗化とか、色々あると思いますが、最大の目的は明確で「ゾゾタウン」や「WEAR」などの当社のサービスに「似合う」セオリーを実装させたい、それが最重要命題です。
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