ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、花王の販売会社の取り組みから考える地域需要の話。(この記事はWWDジャパン2022年11月21日号からの抜粋です)
【賢者が選んだ注目ニュース】
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地方都市こそポテンシャルを秘めている:見果てぬ街づくりVol.9
大手日用品・消費財メーカー、ビューティ企業の第3四半期決算が出そろいつつある。内外の当業界の決算内容はさえないが、こんな時こそ、企業の戦略の変化を見落とさないようにしたいものである。その中で、花王の2022年12月期第3四半期決算に注目したい。売上高は前年同期比10.5%増の1兆1277億円、営業利益は同29.4%減の769億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は28.9%減の583億円だった。特に原料価格高騰の影響を大きく受け、柔軟仕上げ剤などの拡販計画とのはく離、中国市場の減速や米国でのスキンケアの低調などにより営業利益が計画に対し60億円未達だった。事業別売上高は、コンシューマープロダクツ(トイレタリー及び化粧品)事業が同4.2%増の8573億円だった。
内訳をみると、化粧品事業が同5.8%増の1755億円。うち国内は市場の回復が想定を下回る中、「カネボウ」や「ケイト」などのグローバル戦略ブランド「G11」が順調に推移した。ヘルス&ビューティケア事業は同3.7%増の2708億円だった。スキンケア製品の売り上げは前年同期を上回ったが、ヘアケア製品とパーソナルヘルス製品が苦戦した。22年12月期の通期連結業績は、国内市場の回復基調や価格改定効果などを想定して、売上高は同10.7%増の1兆5700億円、営業利益は同1%増の1450億円と、第2四半期に開示した予想値を据え置いている。
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