花王は、Z世代(10代〜20代前半)の男性に向けた化粧品ブランド「アンリクス(UNLICS)」をスタートする。ラインアップはスキンケアとベースメイクの計4製品。12月1日に化粧水とメイクアップベースを、来年1月12日に美容液とタオルマスクを発売する。若い男性の「水分が少なく蒸散しやすい」「肌色が赤暗く見える」といった特有の性質や悩みにアプローチする処方を施した。ブランド公式EC、楽天市場、アマゾンで取り扱う。
化粧水の“アクアハグウオーター”(180mL、税込3080円)は、保湿成分のヒアルロン酸Na、豆乳発酵液、ビターオレンジピール、クレソンエキスが、ごわつきがちな男性の肌に潤いと透明感を与える。乳液兼美容液の“セラム ミー”(40mL、各税込3850円)は、ニキビやシミ・ソバカスなど肌悩みに合わせて5種をラインアップ。油分と水溶性成分をバランスよく配合し、ベタつくことなく肌を滑らかに整える。あらかじめ蒸気で肌をほぐし、スキンケアのなじみをよくするタオルマスク“ホグフォグマスク”(税込2750円)も用意する。
メイクアップベースの“インプレス カラーウェア”(全4色、各22g、税込各3080円)はブルー、ベージュ、グリーン、オレンジを扱う。均一に伸び広がり、メイクに不慣れな男性でもムラなくカバーできるほか、顔のパーツごとに違う色を使い分けることで立体的な印象を作り出す。
デジタルコミュニケーションを軸とした発信にも注力する。車谷セナ、USUKE、翔貴の男性インフルエンサー3人をブランドパートナーとして起用し、SNSでの発信やライブイベントなどを通じて認知・共感を広げる。併せて開発したウェブツール「ビューティ ディグショナリー」では、20種類のルックからなりたい顔を選び、それに至るまでのメイクの手法を学ぶことができる。
社員の声を聞き、
ブランドの個性を磨く
化粧品事業の再構築を進める同社は、昨年1月にはカネボウ化粧品と化粧品事業を統合。グローバル重点11ブランド、国内重点8ブランドに集約した。「それぞれの個性を磨き、パーパスドリブンなブランドの集合体としての化粧品事業作りを進めていく」と村上由泰・常務執行役員 化粧品事業部門長。
個性あるブランドを作る上では、社員一人一人の意思を尊重することもカギになる。「アンリクス」の立ち上げも「なぜ男子が堂々と化粧をしてはいけないのか」という男性新入社員の声がきっかけだった。ブランド運営においても、製品開発やマーケティング、PRなどそれぞれのセクションで20代の若手男性社員がリードする。
今後はアジアを中心に海外展開を視野に入れ、ブランド単体で年商50億円を見据える。