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主婦と生活社の「レオン」が会員コミュニティーをパワーアップ。全身「レオン」のアツい人を増やす 【編集長インタビュー】

 主婦と生活社の「レオン(LEON)」が手掛ける会員コミュニティー「Club LEON」が10月にパワーアップした。月額5000円のサブスクリプションサービスに変更はないが、雑誌最新号を会報誌として郵送、ECクーポンの付与など新たな特典を追加した。「Club LEON」の特典の中では今年から復活解禁した対面イベントの優先参加権に大きなメリットを感じる会員が多く、イベント開催ごとに会員数が伸びているという。2022年末にはスペシャルゲストに小室哲哉氏を迎え、300人超の着席ディナーイベント「NOEL LEON」を開催予定。「Club LEON」会員のほか、「ウブロ(HUBLOT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「ドンペリニヨン(DON PERIGNON)」「タトラス(TATRAS)」など、豪華協賛ブランドのVIPも数多く参加する。10月に開催したW大阪×「レオン」の「ハロウィンパーティー」には200人が来場。40万円のVIPシートから売れていったという。

 「レオン」は、創刊20周年を機に一昨年、組織改革や新事業の準備をスタート。組織においては広告担当が編集部所属(メディアビジネス事業室)となり、編集担当と同じフロアで「レオン」のメディア力を活用した新規事業も構想している。編集担当はデスク以上の部員がそれぞれSNSやEC、イベント、有料会員のコミュニティー「Club LEON」に向けたビジネスを担当し、石井洋編集長がそれらを束ねている。

 「Club LEON」を担当する堀川正毅編集長代理は、「コロナ禍中は対面イベントが企画できず、入会してくれた人に何を提供したら良いのかわからない時もあった。良かれと思った企画でも、参加者は数人という苦い経験をしたこともある」というが、「今年の後半は少しずつリアルなイベントが開催できるようになって、会員数はこの3カ月で急増している。リアルイベントは、『これを待っていたんだ』という反響が大きかった。引き続き分母を増やし、オフラインでの対面の前後にオンラインで期待や余韻を楽しむコミュニティーを築きたい」と意気込んでいる。

 そんな有料会員を巻き込む近藤高史副編集長も、「読者はリアルなイベントを求めていることを、コロナ禍に全国の読者に会いに行って確信した。神戸に80人ほどを招いたイベント(6月)では、求められているものがリアルに実感できたし、招待客からも『リアルなイベントなら有料の価値がある』『会員になりたい』との反響をいただいた。W大阪で10月に開催したハロウィンイベントは、土地柄もあって200人近くが参加、本当に盛り上がった。今後は、有料会員は安く早く申し込めたり、アーリー・チェックインができたり、良い席をご用意したりして、そのメリットを提供していきたい」と話す。

 石井洋編集長は「僕らの提案に影響を受ける人たちが会員だと定義したら、中心は『Club LEON』で、そこから同心円上に雑誌やウェブ、SNSが位置している。グローバル化と同様にセグメント化も進んでいるが、この世代の男性には所属・帰属したいと思えるコミュニティーが少ない。『Club LEON』は、感謝されるような存在になり得る」と話す。濃いファンに向けた世界とコンテンツづくりを進めた結果、「『この文章は面白かった』といちいち反応してくれたり」(近藤副編集長)、「娘の進路相談をされたり(笑)」(堀川編集長代理)のような、「全身『レオン』に染まった、アツい人たち」(石井編集長)が増えてきたという。


 紙媒体からデジタル、そしてSNSやイベント、他社のコンサルティングまでビジネスを拡大し続けるメディアの編集長に話を聞きました。

問い合わせ先
主婦と生活社 LEON編集部 メディアビジネス事業室
03-3563-5135