ファッション

【2022年の海外ニュース振り返り】「グッチ」や「バーバリー」から「フェラガモ」まで、デザイナー去就まとめ編

 2022年は、なんと言っても「グッチ(GUCCI)」をスターブランドに返り咲かせたアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の退任が大きな衝撃を与えた。後任の決定まではデザインチームでコレクション制作を続けるといい、候補には社内のデザイナーの名前が挙がっている。そんな「グッチ」は、23年1月にはミラノ・メンズ・ファッション・ウイークでショーを開催予定。15年のミケーレ就任時のように、その際に後任が発表されるかもしれない。

 またデザイナー交代ではないが、11月の同じ週にインスタグラムで突如発表された「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」のブランド終了も大きな話題になった。「私は精神的にいつまでも若々しくありたい。最初はとても面白かったのに、いつの間にか商業主義に染まってしまい、とがった部分がなくなるようなブランドにはしたくない」と以前語っていたラフの今後は明らかになっていない。当面は、より多くの時間とアイデアを注げるようになるであろう「プラダ(PRADA)」での彼のクリエイションに期待したい。

 就任で最も注目を集めたのは、ダニエル・リー(Daniel Lee)だろう。21年11月に「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を電撃退社した彼は今年10月、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)の後任として、「バーバリー(BURBERRY)」のチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)に着任。23年2月20日、ロンドン・ファッション・ウイークでのショーで初のコレクションを披露する。

 他にも、特にミラノコレブランドでは新陳代謝が活発化。「バリー(BALLY)」(1月)、「フェラガモ(FERRAGAMO)」(3月)、「ミッソーニ(MISSONI)」(3月)、「エトロ(ETRO)」(6月)に新クリエイティブ・ディレクターが就き、9月に一気にデビューショーを開いた。パリコレブランドでは、若手気鋭デザイナーの抜てきが目立つ。「ニナ リッチ(NINA RICCI)」はハリス・リード(Harris Reed)を、「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」はルドヴィック・デ・サン・サーナン(Ludovic De Saint Sernin)をクリエイションのトップに起用。それぞれの新たな一章は、23年2月末から3月初旬に開かれる23-24年秋冬のパリコレで明らかになる。

 21年11月末にこの世を去ったヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が立ち上げ、手掛けてきた「オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH」には5月、アート&イメージディレクターとして、雑誌「デイズド(DAZED)」の編集長も務めるスタイリストのイブラヒム・カマラ(Ibrahim Kamara)が就任。亡き創業者が思いを受け継ぎ、ブランドのコレクションやイメージ、コンテンツ制作を統括している。一方、ヴァージルが務めていた「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズ・アーティスティック・ディレクターの座は空いたまま。ただし、マイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトン会長兼最高経営責任者は後任探しを「急ぐつもりはない」とし、ヴァージルのように「時間をかけて成長していく人物を起用したい」という。

 2022年の主なデザイナー去就は以下の通り。

アン ドゥムルメステール
就任:ルドヴィック・デ・サン・サーナン

エトロ
退任:ヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)、キーン・エトロ(Kean Etro)、ヤコポ・エトロ(Jacopo Etro)
就任:マルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)

オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー
就任:イブラヒム・カマラ

グッチ
退任:アレッサンドロ・ミケーレ

コルネリアーニ(CORNELIANI)
就任:ポール・サリッジ(Paul Surridge)

シュプリーム(SUPREME)
トレマイン・エモリー(Tremaine Emory)

セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)
就任:エヴァンジェリー・スミルニォタキ(Evengelie Smyrniotaki)

ドクターマーチン(DR. MARTENS)
就任:ダレン・マッコイ(Darren Mckoy)

ニナ リッチ
退任:ルシェミー・ボッター(Rushemy Botter)、リジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)
就任:ハリス・リード

バーバリー
退任:リカルド・ティッシ
就任:ダニエル・リー

バリー
就任:ルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)

フェラガモ
就任:マクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)

ボス(BOSS)&ヒューゴ(HUGO)
退任:インゴ・ウィルツ(Ingo Wilts)
就任:マルコ・ファルチョーニ(Marco Falcioni)

ミッソーニ
退任:アルベルト・カリーリ(Arberto Caliri)
就任:フィリッポ・グラツィオーリ(Filippo Grazioli)

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