ブランド品の買い取り専門店「なんぼや」などを運営するバリュエンスホールディングスは2022年12月、リユース品の販売・買い取り業態「アリュー(ALLU)」心斎橋店を、大阪・心斎橋筋商店街にオープンした。銀座、大阪アメリカ村、表参道に続く4店舗目。「シャネル(CHANEL)」や「エルメス(HERMES)」「ロレックス(ROLEX)」などのラグジュアリーブランドを豊富に取りそろえ、関西の旗艦店として、一般消費者と今後回復が見込まれるインバウンドに「モノを売るだけでなく、ブランドの価値観を提供していく」という。リセール市場に一石を投じる、「アリュー」の新店と購買体験に迫る。
初のVIPルームも完備
大阪の顧客の嗜好を意識した品揃え
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「アリュー」心斎橋店は2フロア構成で、敷地面積は141坪。約1200点の商品を取り扱い、うち2割以上が販売価格100万円以上だ。大阪の顧客の嗜好も意識したラインアップとなっている。1階はウィメンズフロアで、アパレルやバッグ、ジュエリーをメインにそろえる。「シャネル」や「エルメス」専用コーナーも設け、一点ずつショーケースに入った“バーキン(Birkin)”や“ケリー(Kelly)”のバッグに加え、スカーフや革小物などのアクセサリーもずらりと並ぶ。店内奥には「アリュー」初となるVIPルームも完備し、上客を対象とした商談スペースとして活用する。
2階のメンズフロアでは、アパレルやバッグ、シューズ、「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」のジュエリーコーナーのほか、ウィメンズとメンズのウオッチも販売。「アリュー」の主力商品の一つである「ロレックス」の“デイトナ(Daytona)”や“サブマリーナー(Submariner)”“デイトジャスト(Datejust)”などの人気シリーズから「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」まで、高級時計を多数そろえる。充実したブランド品のラインアップに加え、高価格帯の商品が並ぶスペースに適した空間づくりにもこだわり、店内には現代アーティスト・松山智一の作品をはじめ、さまざまなアートピースも展示する。
全商品にタグを付帯して
環境負荷削減貢献量を記載
また、全店舗で実施しているサステナビリティへの取り組み“アリュー リニュース プロジェクト(ALLU RENEWS PROJECT)”を心斎橋店でも行う。販売する全商品には、バリュエンスホールディングスが独自のスキームで算出した環境負荷削減貢献量を記載したタグを付帯。顧客は、リユース品の購入で期待できる二酸化炭素の排出削減量や水の使用削減量を見ることができ、経済的リターンと、地球環境への貢献による精神的リターンのある購買体験を提供するのが狙いだ。モノを売る先にリユースへの新たな価値観の創出を描き、他社との差別化を図りながら循環型社会の実現を目指す。
心の豊かさを重視する顧客に
選ばれるブランドへ
心斎橋筋商店街は国内外屈指の一等地かつ観光名所の一つであり、「アリュー」の認知拡大にもうってつけの場所だ。東京に進出してある程度の手応えは感じているものの、この超好立地かつ超強豪が多数いる大阪の中心地で、「アリュー」をどこまで選んでいただけるか——ここからが勝負であり、スタートだと思っている。環境への取り組みを見える化するなど、価格ではなく、「同じ商品を買うなら『アリュー』で買いたい」と言ってもらえるような上質な接客による購買体験を提供し、心の豊かさを重視するお客さまに選ばれるブランドを目指す。
心斎橋店では既存店での経験や課題を生かし、ゾーニングや商品点数が限られる中、坪効率とブランドの世界観のバランスを重視した。他店と同様、モノを売ることだけに固執せず、「アリュー」としての価値観を提供する店舗にしたい。また、初のVIPルームも設けた。本サービスを導入することで顧客がどんな反応を示し、実際に購買の意思決定になり得るのか、トライ&エラーをしながら見極めていきたい。
そのほか、昨年11月に発表した新たなパーパス“Circular Design for the Earth and Us(地球、そして私たちのために循環をデザインする)”の実現に向けても注力する。モノを廃棄せず、誰かにつなぐリユース自体が循環ではあるが、「売ったら終わり」ではなく、「アリュー」で売ったものが必然的に私たちの元に再び戻ってくる“意図を持った循環”の仕組みを構想中だ。
住所:大阪市中央区心斎橋筋2-1-19
時間:11:00〜20:00
「アリュー」心斎橋店
06-4400-5095