「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、アパレル業界だけでなく世の中全体に問題提起する形となったファーストリテイリングの報酬引き上げについて。
> ファストリ、国内社員の年収を最大40%引き上げ 初任給30万円へ
ソーシャルエディター津田:先日、「ユニクロ(UNIQLO)」や「ジーユー(GU)」などを運営するファーストリテイリングが日本の従業員8400人を対象に、報酬を最大で約40%引き上げることを発表しました。中でも特に注目を集めたのが、新入社員の初任給です。現在の25万5000円から30万円まで引き上げられるそうです。アパレル業界では異例の賃上げに、Twitter内でも“初任給30万“や”年収最大4割上げ“などがトレンド入りし大きく話題になりました。SNS上では賃上げを羨む声も多かったですが、反対に「副業禁止なんだからそれくらい支払って当たり前だ!」という声や、「これだけ物価が上がっているのに賃上げをしない他の企業や初任給30万円で驚いている日本がおかしい」と辛辣な意見もありました。
私も気になって「ユニクロ」の採用ページを確認したのですが、よく見てみると今回のこの初任給30万円というのは“グローバルリーダー社員“という全国転勤の可能性がある一部の新入社員のみが対象で、全国転勤なしの“地域正社員“は募集要項を見る限り17万7500~20万2800円が初任給となっていました。国内ユニクロ事業で見ると準社員(パート・アルバイト)の割合が6割超となっているため、元々社内での給与の差は大きいほうだと思いますが、今回の国内正社員への賃上げを受けて社内の給与格差がますます広がりそうだなという印象です。ですが、日本は給料を一度上げたら下げにくかったり、一度雇ったら解雇しにくかったり、企業側からするとネックとなる労働制度がある中でのこの賃上げは英断であり、他の企業の賃上げを誘発するものにもなると思います。優秀な人材の不足・流出が企業にとって何よりのダメージですからね。
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