ゴールドウインは、富山県南砺市に自然と遊ぶ公園「ゴールドウイン プレイアースパーク(GOLDWIN PLAY EARTH PARK)」を2026年中に開くと発表した。プレイアースパークは21年に打ち出した大型プロジェクト。スポーツウエアやアウトドアウエアの製造・販売とは異なる新しい事業領域に進出する。
18日に創業地である富山県小矢部市のゴールドウイン富山本店で、西田明男会長、渡辺貴生社長、富山県の新田八朗知事、南砺市の田中幹雄市長が登壇し、記者会見を行った。新田知事は「官民連携は県の成長戦略の柱」と語り、県としての支援を約束した。
南砺市に完成予定の「プレイアースパーク ネイチャリング フォレスト(PLAY EARTH PARK NATURING FOREST)」は、山間部にある桜ヶ池の周辺を造園する。桜ヶ池は周囲約3kmの人造湖だが、サップや釣りの人気スポット。世界遺産の白川郷や五箇山にも近い風光明媚な場所で、砺波平野を一望することができる。東海北陸自動車道の出入り口からも近く、自動車のアクセスにも恵まれている。
ここにキャンプ場、フラワーパーク、農園、レストラン、アウトドアアクティビティ施設などを段階的に設けていく。周辺地域とも連携し、クライミングやトレッキング、冬季にはスノースポーツなども含めて、さまざまな体験を提供する。ゴールドウインが「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」「ゴールドウイン」などのアウトドアスポーツ事業やスノースポーツ事業で培ってきた知見とネットワークを投入する。西田会長は「物販だけでなく、コトやサービスといった時間消費にも取り組む。特に子供に楽しんでもらえる場所にしたい」と話した。
地権者との交渉が進行中のため、開発面積などは現時点では明らかにされていないが、渡辺社長は「国内にはない規模とコンテンツを作る」と自信を見せる。南砺市が地権者との交渉などを取りまとめた上で、ゴールドウインに土地を貸す。
同社が21年に発表した、2030年までの中期ビジョンでは、自然と触れ合う拠点を作るプレイアースパークのプロジェクトに50億〜100億円を投じるとした。南砺市の取り組みは第1弾となる。現在、県内の他のエリアでも造園の候補地を探している。南砺市は13年から「エコビレッジ構想」に取り組んできた。エコビレッジ構想とは、小さな循環を重ねた暮らしを指し、豊かな自然を生かした地域活性化を推進してきた。プレイアースパークの考えに共鳴し、1月19日付で市役所内に推進室を設けてバックアップする。
渡辺社長は南砺市の桜ヶ池について「美しいだけでなく、山の自然と人の暮らしが密接で、素晴らしい里山文化を築いてきた。自然と遊び、自然から学ぶプレイアースパークの場所として最適だ。まず26年に“ネイチャリングガーデン(キャンプ場、フラワーパーク、農園など)”からオープンし、10年くらいの年月をかけて段階的に施設を広げていきたい」と話した。