若者向けのトレンディーなファッションやスイーツをそろえ、日本のポップカルチャーの震源地として親しまれてきた原宿は、今なお若者の心をつかむ街なのだろうか?東京の大学に在籍し、ファッション系サークルなどで日々活動する大学生数人に原宿のおすすめショップと共に、今Z世代が買い物する中心地について聞いた。(この記事はWWDJAPAN12月5日号からの抜粋です)
いわゆる“Z世代”と呼ばれる彼らに原宿についてのイメージを聞いて浮かび上がってきたのは、「そもそも買い物をしようって考えたとき、原宿は候補にあがらない」という事実だった。話を聞いた大学生はファッション感度が高く、興味も関心もあるにもかかわらず、“ファッションの聖地”的存在だった原宿は今や、スイーツやカフェをメーンに楽しむエリアととらえられている傾向があった。
「住んでいる地域や大学の立地によって偏りはあるが、古着を買いに行くなら下北沢、ブランド目当てなら表参道。周りの女の子は、大体新宿の商業施設で洋服を買っている」と語るのは、岸海星・明治大学デザイン研究部代表。「かつての原宿はポップで周りの目を気にせずにファッションを楽しめるエリアだったイメージだが、今はシンプルめな人が多い。ストリート系のセレクトショップなどはちらほら見えるが、全体的に奥まっていて街の様子を感じ取りにくい」と言う。
青山大学発のファッションサークル、青山ファッション アソシエーションに所属する田口怜さんも、「原宿はファッションに強いイメージがあるけれど、原宿固有のものが多い。『原宿系』『パンク』『ポップ』に当てはまらない人はわざわざ行かないように感じる。私を含め周りの友達は、趣味も系統もバラバラ。程よく見て回って選びたいという気持ちが強いので、新宿のようにファッションのお店が集まっている場所で、多くの選択肢の中から買い物をすることが多い」と述べた。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。