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“産地直売”だから届く尾州織物の情熱 愛知・一宮の「新見本工場」 

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 世界3大織物産地にも数えられる愛知・一宮の尾州。一昨年4月、同地の織物工場、木玉毛織(木全育睦社長)の敷地内に産地直売所が開店した。店内に並ぶのは、採れたての野菜……ではなく“作りたて”の服。「野菜は農家から買うのが一番安くて、新鮮でおいしい。野菜の産直があるなら、服にだってあっていいと思ったんです」と発起人の彦坂雄大さん。地元の毛織物卸売業の大鹿(大鹿晃裕社長)に身を置きながら、尾州のモノ作りを未来につなごうと、社内の新規事業として直売所を開いた。(この記事は「WWDJAPAN」1月16日号からの抜粋です)


 直売所「新見本工場」では、尾州で織る再生ウールを使った「毛七」、ウールコートが主力の「ブランケット」などを取り扱う。いずれも彦坂さんが大鹿で立ち上げたブランドで、織布から縫製、仕上げまで自社や地元工場で完結している。

 店に並ぶ商品は、カシミヤ混のウール糸を二重織にしたダッフルコート(8万9100円)、低速レピア織機で織り上げたメルトン素材を使ったブルゾン(3万5200円)など。彦坂さんは「一度買っていただいた方は、ほぼ間違いなくリピーターになります」と誇る。その理由は単純で、「この価格では絶対ありえない物を売っている」から。自分たちでモノ作りを完結し、直売するから、中間コストを省いて価格を抑えることができる。

業界の“ご法度”へのチャレンジ

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