「WWDJAPAN」の2023年のCEO特集には、19社のファッション企業のリーダーたちが登場した。リーダーたちはコロナ禍の3年を経た現在をどんな時代だと認識し、それに対してどんな手を打とうとしているか。コロナの前と何が変わり、何が変わらなかったのか。インタビューから抽出した4つのキーワード「成長戦略」「共感」「モノ作り」「人材」ごとに各社の動きを報告する。(この記事はWWDJAPAN2023年1月30日号からの抜粋です)
目まぐるしい環境変化 迅速な意思決定
ファッション市場を取り巻く2022年の動きは、過去にない目まぐるしいものだった。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限はほぼ解除され、店舗では感染対策を施しながらも通常の営業がなされるようになった。在宅勤務と併行して、オフィスへの通勤も元通りになった。国内外の旅行や出張も再開された。結婚式などのセレモニーや各種イベントも復活した。服を新調する人が増えたことで、売り場に活気が戻った。10月以降は水際の制限緩和によって、韓国や東南アジア、欧米からの訪日客が増え出した。消費に関しては明るさを取り戻しつつある。
一方、服の生産を取り巻く環境は厳しさを増す。急激な円安は、一時150円台の水準になった。綿やポリエステルなどの原材料費や物流費も記録的な高騰。中国をはじめとしたアジアでも人件費が大幅に上昇した。服を作るコストの増大によって、多くの企業が値上げを余儀なくされた。値上げが消費にどう影響するか、まだ見えない部分がある。だが、食費や生活費など全ての価格が上昇する中、暗い影を落とすことは間違いないだろう。
状況は激しく変わる。先の見えない状況で、ファッション企業のリーダーは常に難しい決断を迫られることになる。
「成長戦略」
アフターコロナの市場に攻めの姿勢
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