ユナイテッドアローズの2022年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比10.6%増の960億円、営業利益が同247%増の63億円、純利益が同234.9%増の43億円だった。「収益構造を抜本的に見直す仕上げの年として、今期は定価販売を徹底的に強化した。春夏に続き、秋冬においても一定の成果が出た」(同社)。
値引き抑制およびコスト高による各レーベルの価格改定が受け入れられ、売上総利益率は1.6ポイント改善した。秋冬は全事業で一律で価格を引き上げたが、来期に向けては「ブランドの特性に応じた精緻な価格設定に取り組む」。また、今期から商品の開発プロセスを見直し、商品部と販売部の連携を強化したことによる商品力向上の成果も出ている。
回復を受けて23年3月期業績予想を上方修正する。売上高は1300億円に据え置くものの、売上総利益は665億円(修正前は657億円)、営業利益は60億円(同48億円)、純利益は41億円(同30億円)を見込む。
松崎善則社長は6日に行われた会見で、「収益体質への改善は進んでいるものの、売上高はコロナ前には至らず規模感が縮小していることが課題だ。しかし、以前のように値引き販売で売り上げを構築するような体制に戻るわけにはいかない。付加価値を高め、お客さまに適正な価格ととらえてもらうことに注力する。そのためには、OMO施策を進化させお客さまとの接点を増やし、新たな需要獲得に向けた取り組みを進める」と来期の方向性を話した。
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