ルイ・ヴィトン ジャパンはこのほど、社会課題化しているアスリートのセカンドキャリアに着目し、現役アスリートが将来のキャリアデザインを育むための教育機会の提供に乗り出した。同取り組みは日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)ディビジョン2に所属する水戸ホーリーホックとの協働で実施。今回、J2水戸ホーリーホックでゴールキーパーとして活躍する山口瑠伊選手が「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」表参道店で2日間にわたり職業体験を行なった。
Jリーグ内は選手たちのセカンドキャリアに真摯に向き合っており、中でも水戸ホーリーホックは選手としての実力に加えて、「人間力」の育成に積極的だ。取り組みに携わるルイ・ヴィトンジャパンの人事担当者は、「サッカー選手らは実際強いコミットメントや選手として努力を続ける執念を持っているにも関わらず、他業種での経験も少なく、新しいチャレンジをしづらい現状があると聞いています。スポーツ選手は特にスポーツに関連する職業へのキャリアパスだけが中心の、限られた選択肢となる傾向があるそうです」と語る。
職業体験で山口選手は新入社員と同じプログラムを体験。ブランドの世界観を学ぶワークショップなどを経た後、実際に店頭で他の販売員らを補佐する形で接客体験をした。この取り組みは来店客には伝えず、山口選手は同じ制服を着用した。来店客からは、「業界を超えた斬新な取り組み」「面白い。他には見られない」といった良い反応があったという。「山口選手は2日間の体験を終え、『多くの販売スタッフが連携している様子が印象的でした。コミュニケーションの取り方など、チームでも生かせそうです』と感想を述べています。的確な指示を出す店舗もしくはストアマネージャーの存在など、繊細なコミュニケーションが行われていることを彼も感じ取っていました」と振り返る。
ファッション業界では販売職からオフィス勤務へキャリアを広げたり、または専門知識が求められるポジションでは中途採用が一般的となったりしている。同人事担当者は「このような活動を通じて、対外的に『ルイ・ヴィトン』では多様な人材を受け入れる土台だけでなく、活躍を支えるトレーニングプログラムがあるということを伝えたいです。店舗でも豊かな教育機会があります。この業界での経験のない方も積極的に挑戦したいと思えるよう、発信を続けていきたいです」と述べた。
“ダイバース・リクルートメント”を掲げ、年齢や経験を問わず、多彩な人材を積極的に迎えるというスタンスを発信する「ルイ・ヴィトン」。今回の職業体験を皮切りに、スポーツ界に限定しない多彩なキャリアを後押しする機会の提供や、かねてより実施するポテンシャルのある人材の採用を強化していく。「人材確保の厳しさは、これから多くの企業が直面していくはずです。そこで『ルイ・ヴィトン』はこれまで積極的に行われてこなかったことに取り組んで風穴を開け、良い人材の流入につなげたい、と考えています。それを業界の垣根を超えて広げていくことが大事だと考えます」。
©️ LOUIS VUITTON