エルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL以下、エルメス)の2022年12月期決算は、売上高が前期比29.1%増の116億200万ユーロ(約1兆6590億円)、営業利益は同33.1%増の46億9700万ユーロ(約6716億円)、純利益は同37.7%増の33億6700万ユーロ(約4814億円)だった。
地域別の売上高は、米国の観光客が増加したフランスが同26.9%増の10億6400万ユーロ(約1521億円)、フランス以外のヨーロッパは同17.8%増の15億3600万ユーロ(約2196億円)、日本は12.6%増の11億100万ユーロ(約1574億円)、日本以外のアジア太平洋地域は同30.7%増の55億5600万ユーロ(約7945億円)、南北アメリカは同46.6%増の21億3800万ユーロ(約3057億円)だった。なお、中国市場は厳しいロックダウン措置が取られていた時期でもECによって売り上げをある程度維持していたことから、10~12月期(第4四半期)の売上高は前年同期比24.7%増、通期でも前期比22%増となった。
カテゴリー別での売上高は、レザーグッズが同21.3%増の49億6300万ユーロ(約7097億円)、衣料・アクセサリーは同42.0%増の31億5200万ユーロ(約4507億円)、シルク・テキスタイルは同25.8%増の8億4200万ユーロ(約1204億円)、香水・ビューティは同16.3%増の4億4800万ユーロ(約640億円)、ウオッチは同54.0%増の5億1900万ユーロ(約742億円)だった。
アクセル・デュマ(Axel Dumas)最高経営責任者(CEO)は、「特に海外市場が好調だったおかげで、22年も素晴らしい業績を上げることができてうれしく思う。これは明確なスタイル、高い機能性、妥協のない品質を追求する当ブランドのアプローチが評価された結果だと考えている」と語った。同氏はまた、アナリスト向けの決算説明会で、「主に中国と米国で、可処分所得が増加した中産階級に属する、より若い新規顧客が増えている。彼らは必ずしも高価格帯の商品を購入するわけではないが、『エルメス』ならではのラグジュアリーを求めて来店し、業績に貢献してくれた」とコメントした。
ここ数年、生産コストや人件費の上昇を受け、ラグジュアリーブランドでハンドバッグなどの値上げが続いている。「エルメス」も22年に4%程度の値上げを行っているが、23年も7~10%の値上げを実施する予定だという。